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転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした  作者: はりねずみの肉球
【第六章】ヒロイン、覚醒。そして暴走
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転生者の決着――“調律石”を求める者たち

第二王子派の脅迫めいた勧誘から数日。私はアレクシスに内容を報告し、学園でも細心の注意を払いながら生活を続けていた。噂こそ広まりはしないものの、どうやら水面下では第二王子派が活発に動いているらしい。

そんな中、ノエルが図書館で奇妙な会話を耳にしたと言ってきた。どうやら、第二王子派に近い学生が「調律石ってやつ、本当にあればいいのにね……」と話していたそうだ。


「セレナ様、やはりあの“世界調律の秘術”について、彼らは何か知っているのかもしれません。噂だけでなく、実際に探している可能性は?」


「うーん、わからない。でも、もし調律石が実在するなら、私たちの‘バグルート’を修正する道具として狙ってるのかもね。第二王子がそれを使えば、私やアレクシスが継ぐ未来は破壊されるかも……」


考えただけで身震いするが、リリィのように明確な証拠がない今、どう対策すればいいのかわからない。

ノエルはややためらいながらも、一つの提案をする。


「もし、こちらも‘調律石’に関する手がかりを見つければ、彼らの出方を封じられるかもしれません。あくまで伝説レベルの話ですけど、何も知らないまま振り回されるよりは、先に対応策を用意したほうが……」


「そうね。私も同感。リリィの時のように後手に回りたくないわ。できるだけ先回りして、彼らが本気で調律石を狙うのなら阻止するべきね」


そして私たちは、再び学園の資料室や街の古書店を巡り、調律石に関する伝説を探し始めた。――その中でわかったのは、王都から北方へ行った先に“神殿遺跡”があるという記述だ。

昔は聖女の始祖が祈りを捧げた場所で、“世界を正す石”が眠るとか眠らないとか、諸説あるらしい。もちろん、大半は伝説として扱われているが、リリィの“聖女伝説”ですら信じられた世界だ。無視はできない。


(もし本当にそこに調律石があるなら、第二王子派が動き出す可能性は高い。あるいは、既に捜索を始めているかもしれない……)


私はアレクシスに相談しようか迷うが、彼は王都の政務で忙しく、下手に動けば第二王子派に警戒され、余計にこじれるかもしれない。

(でも、私がこっそり情報を得るなら……ノエルと一緒に遺跡を視察してみるのはどう? いきなり危険かもしれないけど……)


思い悩むうちに、また時間が過ぎていく。転生者としての“修正”か、あるいは第二王子派の陰謀か――いずれにしても、私が動かなければ何も始まらない。

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