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毒善的な容認

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

嘘を吐けない人って、割と沢山いらっしゃいますよ。

当たり前ですが、自分に正直な人を嘘を吐きません。

勿論、独善的な人も。

ある時、彼女の鞄に見知らぬマスコットがぶら下がっていた。とある界隈で熱狂的に支持されているキャラだった。しかしおかしな事が一つ。彼女はそのキャラが登場するアニメを視聴していないはずだ。興味の無いものを何故?

「それ」

「ん? あぁ、これ。これがどうかしたの?」

俺が鞄を指さすと、彼女はそのマスコットを持って首を傾げた。

「遂にアニメを見たのか?」

「いんや? だってこれ、貰い物だし。気になるの?」

そう言って、べろっと舌を出した。その一筋縄ではいかない視線は、彼女の本性をよく示していた。彼女はその場を去った。此処で語る事はもう無いと言うように。


部屋で待っていると、彼女が我が物顔で部屋に上がり込んで来た。教室で見せていた愛想の良い無邪気な顔は也を潜め、鋭利で計算高い瞳を宿していた。

彼女はマスコットのぶら下がった鞄を俺の方に見せると、徐に口を開く。

「これ貰ったの、従姉妹なんよ。あの子は自分が好きな物は相手も好き。って思っているところがあるから。まぁ、なんて言うか、これあげれば喜ぶでしょ? って事だと思う」

「独善……か」

彼女は眉根を上に押し上げた。僅かに口角を上げる。裏であっても批難する事はしないが、どうやら肯定の様だった。

自分が正しいと思って疑わず、我を通す。正しいと思っているからこそ、相手の言葉に耳を傾けない。この世で一番あってはならない感情、独善。

それでも彼女はそれ程嫌そうな顔はしておらず、人を食ったような笑みを浮かべていた。

「まぁ、あの子があぁなのは、母子家庭で、自分がしっかりしなきゃ。自分が正しい判断をしないと駄目だ。という思いの成れの果て。だからまぁ、容認は出来るかな」

「それでも……」

常に自分が正しい。ということはありはしない。そんな事を思い続けたら、何時か何処かで人間間で亀裂が生まれる。お前はそれでも……受け入れようと思うのか……?

「まぁ、私も好きじゃないけどね。独り善がりなんだし、治す薬もないもんね。でも、それに救われたことも事実なんだよね。

知ってる? 独善的な人って嘘つかないの。だって絶対に自分が正しいと信じて疑わないから、嘘をつく必要がないの。間違ってるのはお前だろ? 精神なんだ。

だから……そうね……そんな人に『此処に居れば良いじゃん』って言われるのは……かなりクルよね……」

此奴は自己肯定感が凄まじく低いせいか、自分なんていなくていいとも思ってる。だからこそ……誰よりも場所を求めている。居場所を得る為ならば、どんな言動も起こす奴だ。

そんな奴に……本心からの『此処に居ればいい』なんて……劇薬でしかない。

「毒されてる」

「そうね。でもそれに縋りたくなる。甘い毒」

まぁ、一番独善的なものを感じたのは、とある有名なファンタジー小説なんですけど。

大人になってから見返すと、

『自分が嫌いだからって、いじめて良いんか?』

という気持ちで見ることになるんですけど。


まぁ、そんな話は置いといて。

基本的に独善的な人ってあんまり嘘を言いません。

自分が完璧に正解で、お前が間違ってる。精神なので、嘘を吐く必要がないんですよ。

まぁ、嘘って自分の保身に吐くことが多いので、自信完璧な人間が吐くものではありません。


まぁ、そんな真っ正直な人間に、『お前が必要だよ』なんて言われたら、劇薬中の劇薬だと思います。

皆居場所が欲しくて、受け入れて欲しいのが人間だと思うので。


ちなみに、この子と主人公の関係ですが、ドロっとしたところを見せて、拒絶されていると思います。

それでも手を差し伸べられたら喜んで縋り付く。

そんな関係だと思います。

うん。メンヘラってそうだから。満たされればそれでOKだから。

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