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EP09 購入

遅くなりました。

翌日。

僕はギルドに来ていました。

まあ、稼げるなら稼いでおいた方がいいですよね。

流石に死なないとはいえ空腹は感じますし.....食べていくためにしょうがありません。


「おっす、アラタ」

「はい、こんにちは」


僕に挨拶してきたのは色々教えてくれたゴードン、

流石に情報を無償で提供してくれた相手に何かするほど腐ってはいないので、僕は一応彼の不快な発言も許してやっています。


「なあアラタ、メンバーを増やす気はねえのか?」

「特には。」

「前から言ってるが、メンバーは増やしておいた方がいいぜ、一人で何でもできる......そう思ってると、何時か足を掬われる」

「なるほど.......肉壁に使う訳ですね」

「おっおい!? 冗談だよな?」


確かに、肉壁としての役割を与えるなら人を増やすのもいいですね。

〈簒奪〉は時間がかかる上に相手に苦痛を与えるので、その間壁になってくれそうな人を探しましょうか。


「ゴードンさん、僕の盾になってくれそうな人いますかね?」

「無理だろ、死ねって言ってるようなもんだ」

「実際そう言ってるんですが」


正直家族でもない人と人間関係を持つのが嫌なので、定期的に交代できるといいんですが。

その旨をゴードンに伝えてみます。


「ああ? 交代か.........だったら奴隷でも買えよ」

「奴隷? この国、奴隷制度がまだあるんですか?」

「当たり前だろ、どこの国だってあらぁ」


あ、そういえば.....

昨日縋りついてきた汚...少女も、奴隷だったんでしょうか?

なら納得がいきますね。


「余りおすすめはしねえが、奴隷を前衛にするってのはいいアイデアだと思うぜ」

「ですよね、装備も買わなくていいですし」

「なに?」

「え?」


何を驚いているんでしょうか?


「奴隷を購入すれば、確実に逆らわないんですよね?」

「あ、ああ......自由意思はあるんだが、首輪の魔術で縛られてるぞ」

「だったら装備品なんて要らないじゃないですか、盾になるように強制すればいいんですから」

「.........お前、マジモンの畜生だな....ま、これくらいじゃないと冒険者はやっていけねえか」

「畜生でしょうか? 奴隷というからには個人の所有物なんですから、どう消費しようが自由でしょう」

「それは......まあ、そうだな」


ゴードンは、困惑したように頷きました。




ゴードンが振った話からいいアイデアを思いついたので、今日の仕事はいったん休み、スラムに向かいます。

たまにはあの低脳筋肉達磨も役に立つんですね。


「................お、お兄さん!」


置き物のように死んだ眼で座っていた少女が、僕を見たとたん目に光を宿しました。

分かりやすいですが、こんなのじゃ盾にはなりそうにもありません。

潰して盾に加工しようにも、骨も皮も強度が無さそうですしね。


「私を買ってくれますか.........?」

「いや、貴女に興味無いので..........今日はいい肉壁になりそうな奴隷を探しに来たんですよ」

「にく........かべ..........?」

「ああ、分かりませんでしたか? 僕が魔術を使ってる間に、敵の攻撃を全部庇ってくれる優秀な壁を探しているんですよ.........幅があってタフそうなら誰でもいいですね、どうせいつかは死にますし」

「ひ..........酷いです!」

「はあ..........あなたと話してもらちが明かないので失礼します」


僕は少女を無視して店内に入ります。

カウンターに座っていたのは、痩せ気味の男。

髪はなく、右頬に傷があります。

如何にもアウトローって感じの見た目ですね。


「兄ちゃん、何か用か?」

「奴隷を買いに来ました」

「はぁ....やめとけよ、兄ちゃん。ここは兄ちゃんみたいな未来がありそうなヤツが来るところじゃ............」


僕はとりあえず、金貨3枚を店主の前に置きました。

現在金貨は出した分を合わせて12枚所持していますが、充分大金らしいですね。


「盾に出来て逆らわない奴隷が欲しいんですが」

「肉壁か、中々残酷な兄ちゃんだな........うちは表に出してる奴だけじゃないからな、今リストを見せてやるよ」


どうやら、そこそこ大きな所を引いたようですね。

男は奥の棚から薄い紙数枚を出してきます。

ギルドで見た羊皮紙とは違い、こちらは和紙に近くボロボロですね。


「で、何がいい?」

「性別は出来れば男、分厚ければ分厚いほどいいですね.......後は強制の首輪は必須で、後腐れない奴隷がいいですね」

「分かった、その条件だと安いな」

「そうなんですか?」

「ああ、金持ちは女を欲しがるからな、男なら一人平均銀貨3枚で買えるはずだぜ」


何に使うかは、まあお察しの通りですね。

聞けば、女奴隷は貴族のステータスでもあるとか。

ものによっては白金貨(1枚金貨1000枚分)10枚、もしくはそのさらに上の魔金貨、虹金貨で取引されることもあるようですね。


「へえ、後腐れの方は?」

「ここに居る男奴隷なんて全員犯罪奴隷だからな、どう使っても遺恨は残らねえ」

「いいですね、買います」

「おうよ」

「何人くらいいますか?」

「条件に合う奴は5個だが..........」


5人はちょっと多いですね、維持費がかかりますし。


「とりあえず2人買って、3人はお手付きでお願いします」

「分かった、毎度あり」


僕は、生まれて初めて奴隷を購入しました。

反抗的でもなく、死んだ眼でただついてくるだけです。

宿屋に連れて行くと、追加料金がかかると言われました。


「奴隷部屋?」

「ああ、奴隷専用の個室だよ、そこにぶち込んどくんだ」

「いくらですか?」

「鉄貨4枚」

「はい」


明日から役に立ってくださいね、奴隷たち。


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