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EP03 悪魔

ガムドたちを骨にした後、僕は旅を始めました。

自然の草原を歩くのは初めてでしたが、意外と楽しいものですね。

よく、澄み切ったような空気と謳われ、郊外などに行ったものですが.....本物の前だと、物凄く汚い空気だったんだなと思わされます。

それだけ、地球という星は汚されてしまったのかもしれませんが。


「ん?」


その時、僕は遥か遠くで、何かが蠢いているのを目に留めました。

目を凝らせば、ズームされたようにその場所の風景が見えます。

これも能力なんでしょうか? 便利なものですね。


「馬車と.......何でしょうか?」


何やら狼型の何かが人間と戦っていますね。

狼だと思うんですが、普通の狼は頭が二つ付いてるわけないですし......

誰かによって生かされたという訳でも無ければ奇形があそこまで成長することもあり得ないでしょうね。


「うーん、どうしましょうか」


助けることは簡単ですが、しっかりと見合った報酬を払えるかが問題ですね。

この世界の貨幣価値は未だによく分かりませんが、金貨、銀貨、銅貨、鉄貨が存在していることは確認しました。

ガムドは金貨は持っていませんでしたが、恐らく銀貨まであるなら金貨もあるでしょう。

しかし、旅をする以上ある程度の保険として銀貨以上は持ち歩かないのかもしれませんし、即金での報酬受け取りでもないと、契約分を用意している間に逃げられかねませんし、貸し借りというのは非情に信頼性の欠ける手段ですので――――――


「あっ」


気付けば、戦っていた人は全員死んでいました。

馬車の中に首を突っ込んで、狼が暴れています。


「あーあ....ああなったらおしまいですね」


そして、馬車の中から千切れた首の無い身体を持ってきた狼が、それを貪り始めます。

高そうな洋服を着ているようですが、服って美味しいんでしょうか?

歩きつつ、希少な双頭狼の食事シーンを眺めていると、狼の耳がピクリと動き、最早原形をとどめていない肉塊を放り出して、こちらを見てきます。


「気付かれましたか」


猛然とこちらに向かってくる狼に能力を使用すると、狼は地面に転がって暴れ出し、そのまま動かなくなり、最後には骨になりました。

凄いですね、この能力。

狼との距離は40m以上離れていると思うのですが、効果限界距離などは存在しないんでしょうか?

存在すら分かってれば地球の反対側に居ても人を骨に出来るんでしょうか?

試してみたいですが、生憎この世界が惑星かどうかも判別できませんし、裏側に知り合いもいません。

おまけに、骨になったかも確認できないのでやめておきましょう。




馬車に近づくと、最初に異臭を感じました。

あまり嗅ぎなれない臭いですが、血臭と排泄物の匂いが混ざったような感じですかね?

死体の消化器官を傷つけたのかもしれませんね。


「............中は全滅ですか」


中も血塗れで、千切れ飛んだのか、生首が転がっており、虚ろな瞳と目が合いました。

その眼はまるで、かつて見たような......


「.......おっと、僕らしくもない」


気付けば、僕は生首を踏み潰していました。

前の世界での少し不快な罠に僕を陥れた男に、目が似ていましたから、ちょっと理性を失ってしまったようです。

靴が汚れてしまうというのに、どうしてこんなことをしたのか、僕にもよく分かりません。


「とりあえず、勿体ないので物資はいただきましょうか」


ガムド達の物資を頂いた時、入れ物は無いかと探していたら、空中にポケットみたいなものの入り口を作れる能力がある事を知ったので、運ぶ面には困りません。

ああ、そういえば........


「人を骨にするとお金も手に入るんですよね.......」


基本的には鉄貨だけですが。

ともなると、やったことはありませんが商談の関係上身に着けたビデオゲーム知識の中にある、[ドロップアイテム]に当たるんでしょうか?

ならこれは、[宝箱]みたいなものかもしれませんね。


「そういえば、あの狼を倒した時、何かを感じましたね」


そう思って確認してみると、銀貨がありました。

これはいい[ドロップアイテム]ですね。







物資をあらかた回収したので、僕は再び歩き始めました。

道として確かに舗装されているので、この先に何かがあるのは確かでしょう。

そこに何があるかはある程度予想が付きますが、何をすべきかは分かりませんね。

お金を稼ぎたいわけでも、美味しいものを食べたいわけでも、生殖行動を積極的に取りたいわけでもありませんから、こういう方針はあまりとりたくないですが、風の吹くまま行きましょう。


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