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EP22 極夜再び

遅れました。

今回残酷描写あります。

飛ばしてもストーリー上は問題ないように作っているので、苦手な方は読み飛ばしてください。

「さて」


僕は衛兵二人を処分して、短剣から血を払いました。

先日潰した盗賊の親玉が持っていたもので、いつか使おうと思ってポケットに入れておいたのですが、武器が必要になり詳細を見たところ、魔銀(ミスリル)というものにアダマンタイトという金属を塗布したものだそうです。

とにかく、こんな辺境で盗賊をやっている人間が持ってていい品物ではないという事が分かりましたので、今回持ってきています。


「あ、あいつだ! あいつが俺のダチを!」

「殺せ!!」


煩く喚く塵に向かって、僕は一気に駆けます。

そして、両手両足首、股間、腹、首をひと突きし、無力化します。

どうも死の瞬間の記憶を再生する魔法とかがあるそうなので、死の瞬間の記憶を苦痛塗れにして殺すと良いそうです。


「ぎゅはぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」


喉笛を裂かれたので、悲鳴が出ず風が擦れるような音が鳴り響きます。


「うるさいですね」


まあ、もうすぐ死ぬでしょうし問題ないです。

長居する気もありませんし。

ここまでして取り返したからには、今頃生殖行為に勤しんでいそうなので、取り返すのは簡単ですね。


「おい、待てよ」

「...........誰ですか、退いてください」


屋敷のホールにお邪魔した僕に、声を掛ける者が居ました。

その男は全身に黒鎧を着た男でした。


「俺の名前はザルド! お前に一騎打ちを申し込む!」

「そうですか、簒奪」

「ぐがあああっ!? 何を.........!?」


一騎打ちに付き合う義理もありません。

せっかくなので因果支配で殺さず〈簒奪〉で能力を貰いましょう。

中々期待できそうですよね。


「ぉ、おらあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

「おおっと」


凄いですね、身体から何かを引きずり出されるような激痛に苦しんでいるはずなのに、平然と攻撃してきました。

こういう時シエルが居るとスマートなんですが...........


「死ねっ!!」

「くっ」


男が抜いた剣は、僕に真っ直ぐ振り下ろされました。

咄嗟に腕で弾いたのですが、勢いまでは殺せず、僕の身体は壁に叩き付けられました。


「ハ、何の魔法かは知らねえが、このザルド様に苦痛は慣れっこよ!」

「そうですか..........」


困りましたね..........時間をかける必要はありませんし、因果支配で殺してもいいんですが.........それだと能力が手に入りませんし.............

悩みどころですね。


「じゃあ死んでもらいましょう」

「テメエ、話聞こえてたのか!」

「ええ、苦痛が嫌なら、もっと激しい苦痛で死んでもらえば楽でしょう?」


僕はそう言いつつ、ホールを駆けます。

ここで舞踏会でも開けそうな広さですよね、まったく。


「ふん! なぁ..........!?」

「どうしましたか?」

「てめえ..........大剣をなんで、短剣で受け止められる!?」

「梃子の原理ですよ、知らないんですか?」


こうは言いましたが、そもそも膂力で大きく差があるようなので、梃子の原理もあまり意味を為してないようです。

発言に責任を持たないといけませんね。


「はあっ!!」

「くそが!」


僕は因果支配で大剣の重量を極限まで軽くし、最小限のエネルギー消費で大剣を弾き飛ばします。

手を離れた大剣は因果支配の効果が消失し、地面に落下してガランと音を立てました。


「だったら、コイツで........てめえをぶっ殺してやる!!」

「野蛮ですね..........」


至近距離で放たれたのは拳......しかも、何やら棘が付いています。

喰らったら痛そうですが.........回避しようにも、間に合いませんね。

自分の速度を早くしようとしたんですが、前に音速にしたら骨が折れました。

まだまだ高速移動には耐えられないようです。


「はぁ..........まあいいでしょう」

「諦めたか、馬鹿め――――――――なっ、ぁ.....................」


簒奪の効果が完全に通り、僕に届くはずだった一撃は勢いを失い、転げ落ちました。

骨になった以上、鎧の重さでどっちにしろ届きませんからね。


「さあ行きましょうか」


かなり興味深い能力をいくつか手に入れたので、後で検証しましょう。

僕は屋敷を上へ上へと上がっていきます。


「し、侵入――――――」

「こ――――――」


簒奪を使う理由も無いので、視界に入った瞬間に命を奪っていきます。

そして、三階にたどり着き............濃厚な何かの香りの立ち込める部屋のドアを蹴破りました。


「うわ、うわああああっ!?」

「懲りませんね、あなたも」


ベッドの上に、全裸のシエルが寝かされていました。

その顔は苦痛に歪み、それでも僕を見て笑っていました。

身体には無数の傷。

どうやら生殖行為に移る前に母体を傷つけるフェティシズムの方でしたか。


「僕の所有物に傷を付けましたね?」

「お、お前が奪ったんだろうが!」

「知りませんよ、とにかく彼女は今僕のものですから、取り返すなら法的機関を通してください、それでは」

「ふ、ふざけるなあああ!!」

「何の真似ですか?」


ヘンフリー男爵は、裸で僕の前に立ちはだかりました。

やめてくださいよ、男性器を見て興奮する趣味はないんですけど。


「そうだ........ヘンフリー、あなたに同じことをしてあげましょう」

「な、何を................」


僕は彼を蹴飛ばし、床に転がしました。

その手から鞭を奪い取り、彼に叩き付けます。


「ぎゃああああっ!」

「まさか、他人に施しをするのに、自らは施しを嫌がるのですか? 聖人君子ですね」

「な、何を..........?」


僕の数少ない友達......新興宗教の教祖をやっていた彼は、「与えるものが何であれ、自分より弱い者に与えるのは救済であり、施しだ」と言っていました。

つまりヘンフリー男爵は、シエルに施しをしていたのでしょう。

なら僕も、精一杯返させてもらいます。


「ぎゃっ!! ぎゃああああっ!」

「ほら、気持ちいいでしょう? 聞けばそういう趣味の方もいるとか、あなたもそうなんでしょう?」


普通、施しの場合において自分がされて嫌なことは相手にもしないものですから、彼も好きなんでしょう。


「やめ、やめぎゃああああああああっ!!!」

「ほら、どうしたんですか? もっと喜んでくださいよ」

「ぁ、あくま.........があああぎゃああああああ!!」

「悪魔なんて居ませんよ、幻覚ですか?」


常識的に考えて悪魔なんて実在しません。

この世界ならいるかもしれませんが、ここに居る理由もないですしね。


「ひぃ、ひやあぁぁぁああああ!!!」


あれ、気付いたらヘンフリーの腕がなくなっていました。

夢中で施しをしていたら、千切れ飛んでしまったようですね。


「すいません、腕が飛んでしまいましたね」

「ふぁ、なにを....ぎっ、あぎゃあああああ!」


気付いたようで、ヘンフリーは叫びました。

喜びすぎでしょうが、もしかすると彼はずっと身体が千切れる感覚を味わいたかったのかもしれません。

だったらもっとしてあげないと、失礼に当たりますね。


「ほら、ほら!」

「も、もうやめ........ぎゃああああっ、がああああああっ!」


どうしたんでしょうか?

彼の顔が苦痛に歪んでいます。

そこで僕は、ようやく過ちに気づきました。


「そうか、そうですよね.........まだやっていないことがありました」


手が汚れるので嫌だったのですが、シエルは体のあちこちに打撲傷を負っていました。

つまり、同じことをするうえで僕も殴らないと条件が合いません。


「では、行きますよ!」

「やめ、がっ――――――」

「ここが効きますか?」

「ぎゃっ――――――」

「それともここですか?」


シエルの傷を見て、そこと同じ場所を殴ることを繰り返します。

顔面に恐らく6回、右胸に2回、左腕に1回、腹に2回、左脚に1回、右足に2回ですかね?

とくに腹は強く殴られているので、最後にしてあげましょう。

僕が殴ると、そこが大きくへこむので、している側も楽しいですね。


「ぁぁぁぁぁぁぁ..........」

「おや、気絶してしまいましたか........では、お腹行きますねー」


拳を固めて、振り切る!

ズバァァン! と爽快な音がして、拳が腹に当たりました。

同時に体にぐちゃぐちゃと何かが当たり、ずり落ちていきました。

どうやら、肉体の強度が耐えきれず爆散してしまったようですね。

体液やら血を吸ってしまったので、このローブはお蔵入りですね。


「さあ、シエル......帰りますよ」

「ひっ...............」


どうしたんでしょうか?

もしかして、男爵にされたことがトラウマになってしまったのでしょうか?

僕は四肢を拘束していた枷を破壊すると、因果支配で宿まで帰還しました。


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