EP11 試行
遅れました、申し訳ありません。
次は購入を1人にして、接触しながら物理衝撃無効をやってみました。
結果は即死。
「............まずいですね」
地竜の骨を納品し、今日の実験で倒した魔獣の素材を売却して銀貨12枚を手に入れましたが..........やっぱり銀貨2枚を3人.........つまり銀貨6枚、散財にしては多すぎます。
次は失敗しないよう、何か別の手段を取らないといけません。
「あ? どうした」
「すいません、ゴードンさん......」
僕はゴードンさんに尋ねてみました。
事情を聴いたゴードンさんは、
「もう死んだのか!? やっぱりお前、血も涙もないな!」
「失礼ですね、血は通ってますし痛みを感じれば涙は分泌されます」
「..........とにかく、装備品でも買ってやれ」
「分かりました」
そういうわけで、僕は奴隷の為に防具屋を訪れることにしました。
防具屋に入ってみると、そこは別世界のようでした。
盾や皮の鎧などが置いてあり、中々良い雰囲気ですね。
「すいませーん」
「はいはい、何でしょうか?」
店の奥から出てきたのは小汚い中年のおじさんでした。
一気に気分が悪くなりました。
まあいいでしょう、商品の質は良さそうですし。
「奴隷に装備を見繕いたいのですが」
「えーと.........お一人で?」
「見ればわかるでしょう、目が見えないんですか?」
「サイズが分からないので、盾とチェストプレートのみしかお売りできませんが、よろしいですか?」
「問題ありません」
暫く待つと、店主が盾を何種類かと、防具を数個持ってきました。
「鉄、銅、魔銀製の盾と防具を持ってきました、ここからお選びください」
「分かりました、では魔銀製で」
「値段は銀貨18枚ですが、お支払いは即金で?」
「勿論」
「毎度あり」
銀貨が足りなかったので金貨を出し、お釣りに銀貨82枚を受け取りました。
収納できる空間が無ければ、財布が重くて困っていたところでしたね。
僕は盾と防具を収納空間に入れ、店を後にしました。
結果。
奴隷二人は死亡。
ミスリルの盾と防具も、僕が付けた方がマシだったようですね。
自分の愚かさを呪いたいですが、せっかくなので僕が付けてない方は取っておきましょう。
この世界には魔法の武具があるそうですし、それがあればもっと敵なしかもしれませんね。
でも、それは僕の目的ではないので却下です。
「..............そうだ」
意思の無さそうな奴隷に盾をやらせれば死ぬのは必然ですし、ここは意思のある奴隷に任せてみますか。
何事も試行錯誤ですから。
僕はその足で再びスラムに向かいます。
入り口で遊んでいた汚い子供に「いつものにーちゃん、こんにちは!」と挨拶されつつ、足を早めてスラムの奥へと進みます。
進めば進むほど人も増えてきて、色々と取引をした人などがこちらに目だけ向けて来ます。
瀕死の重傷を負っても立っていられる薬などを購入しましたが、あんまり意味なかったです。
だって脆すぎるんですから。
映画などでしか直接人の死に触れたことがありませんでしたが、もう少し生きているんじゃないんですか?
どうして腹に穴が開いた程度で即死するんでしょうか?
「あ................お、お兄さん」
「こんにちは」
そうしている内に、僕は奴隷商の前にたどり着きました。
「あ、あの........連れて行った皆さんは......?」
「ああ、皆死にましたよ。僕の役に立ててよかったですね。何の価値もないその肉体に僕が価値を付けてあげたんです、彼等も満足しているはずです」
「ひっ.................」
何故怯えているのかは知りませんが、本題に入りましょう。
「さて、今日は君を買いに来ました」
「私.......を?」
「ええ、意思のない人形のような奴隷では、長持ちしませんので......意思のある奴隷を訓練して、盾役をやらせようと思いましてね、せっかくなので面識のある君に頼みましょう」
「ひ...........い、ゃ.........っひ!」
嬉しそうですね、なら決定です。
「大丈夫ですよ、魔銀製防具と盾も用意してますし、死んだらお墓くらいは作ってあげます」
「いや........嫌です!」
「君に拒否権はありませんからね、では」
僕は彼女を見捨てて店の中に入りました。
店主は誰かと交渉していましたが、僕を見ると顔を上げました。
「おや? アラタ様、何用で?」
「表の少女を買いたい」
僕がそう言うと、店主の顔が曇りました。
どうしたんでしょうか?
「それが、今少女を買いたいという人と交渉していましてね.........」
店主は歯切れ悪くそう言いました。
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