1悪役令嬢参上
初めてマルマルです
最後まで見て頂けたら嬉しいです(^^)/
〇草むらの道
「はぁはぁはぁはぁ~~疲れた。
もう1ヶ月は歩いてるけど、まだ町に着かない。
魔法が使えたら10分で着く距離なのに~」
ノアは上の空を見上げた。
すると、沢山の人や使い魔が空中を移動していた。
ホウキに乗る者もいれば、大きな亀の使い魔に乗って移動する者もいた。
・
「おう。婆さん。どうしたんだ?」
上空から、アりを5匹が引っ張るソリが降りてきた。
・
「私は婆さんじゃない!!
れっきとした22歳の乙女よ~~~~~( ̄△ ̄)!!」
「どう見ても婆さんだけどな?」
サンタクロースの帽子を被った中年の男が、
よぼよぼで杖を持った70歳くらいの婆さんノアを
上から下へじっくり見て言った。
「違うって言ってるで・・・・あ(゜д゜)!!」
興奮したノアの入れ歯が遠くへ飛んで言ってしまった。
中年の男もビックリして目を見開いた。
「わたすのいれぱーーー(私の入れ歯)」
入れ歯が無くなって発音がおかしくなった。
本人は凄く急いで取ろうとしているが、
お婆さんが杖を付いてゆくっり5歩あるいたら休憩、
5歩あるいたら休憩していたので、なかなか目的にたどり付けなった。
『ムーブ 入れ歯』
中年の男が気を利かせて、右手の中指にアリが書かれた緑の指輪に魔法を唱えると、指輪が緑色に光った。
「OK」
すると、ソリを引いていたアリ達が声を揃えて答えて、
一斉に口からコマくらいの小さな竜巻を出した。
最初は5つの小さな竜巻がゆくっり進んでいたけど、
竜巻が1つになると、少し大きくなり高速で移動し入れ歯の所に行った。
入れ歯を竜巻の1番上に浮かせてノアの所へやって来た。
ノアはその入れ歯を素早く奪い取ると口にはめた。
「私は婆さんじゃない。解った!!」
「・・・・解った」
あっけに取られる中年男。
「それで? 何にしてるんだ?」
「モンナシ国に行きたいの?」
「へぇ~。あんな貧乏な国に行きたいのか」
「そうよ。だから、連れてって( ̄▽ ̄)♪♪」
ノアが可愛くウィンクをした。
「・・・・・通り道だ。乗れ」
中年の男は気持ち悪そうな物を見てる様子だったが、
可哀想なお婆さんに同情して乗せてあげる事にした。
「ありがとう。おじさん?・・・・どこに乗るの?」
・・・
「ああ。そこのおまるに乗ってくれ」
「はい??????
何で幼児がトイレの訓練に使う物に
乗らないと行けないのよ」
「子供を乗せる時にワシが作ったんだ。
・・・
便利だぞぉ。いつウンチをしても問題ない。
ガハハハ」
大笑いした。
「いやよ。こんな物」
「じゃ。乗るの止めるかい?
徒歩だとまだまだ掛かりそうだけど?」
ニヤリと笑った中年男。
「乗らせて頂きます」
老婆とは思えない瞬間移動で、ササッとソリの横に付いてあるアヒルのおまるに乗った。
「じゃ~いくぜ。『アリラット』」
中年の男が魔法を唱えると、5匹のアリが空中に動き出した。
「何で私がこんな屈辱を味あわないといけないの。
・・・・
それもこれも、あいつらのせいよ」
アヒルのおまるについてある取っ手を握り、
ドクロ指輪を見つめてプンプン怒るノアだった。
〇回想シーン
私の名前はノア。
私は老婆に見えるかもしれないけど、
本当は22歳の乙女なの。
しかも、自慢なんだけど、
オリジナル魔法を次々生み出す天才と言われてたんだ。( ̄▽ ̄)エッヘン。
今いるムンムン世界には魔法が使えて、
人間とモンスターが共存しているの。
私がいた所は、ゼノという大国。
貴族と平民に分かれていて、
貴族が治める領土に平民が働いて暮らしていた。
貴族の中にも身分が分かれる。
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身分の高い順
第1公爵:次の国王候補
第2公爵:王の兄弟や王子などの王族
第3公爵:有力貴族
第1伯爵:軍師や王の側近
第2伯爵:大臣
男爵:その他の貴族
※有力貴族が大臣や軍師の役職に付く場合もある。
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ちなみに私は1番下の男爵家。
そんな私にも許婚がいたの。
イケメンで凄く優秀なアルと結婚する予定だったの。
・・・・
ところが、父が天才の私を利用して権力を握るために、
第4番王子であるダルダ第2公爵に嫁がせようとしたの。
そのため、アルとの婚約を勝手に破棄したのよ。
(×_×)ガーーーン。
私は不細工で無能な王子と結婚したくなかったので、
ちょっとした策を行ったの( ̄▽ ̄)ニヤリ。
私が開発したホレ薬を飲み物へひそかに入れたの。
ヒントになったのが、つり橋効果。
つり橋を渡る時は、下が見えるからドキドキするよね。
その時に異性の人がいたら、恋愛のドキドキと勘違いして好きになりやすい現象。
他にも、ジェットコースターとかお化け屋敷でもなる。
まぁ~つり橋効果と同じ様に、
本人が喜ぶワードを言ったら、
一時的にドキドキさせるようにしたの。
・・・・
もちろん、私の身代わりになってくれる人を探したわ。
私より身分が上で、ダルダ第2公爵の事を好きな人物を調べて同席させたの。
そしたら、効果はテキメン。
・・・・・
「カッコイイ」と言う言葉を聞いたら、
直ぐに魔法が発動してその女性の事が好きになったの。
そして、直ぐに王様に直訴して結婚。
実は社交界の時に会って、王子も気になってたけど、
自分に自信が無くて勇気を出せなかったって。
・・・
副作用としてブクブク太るけど、
まぁ~愛があれば大丈夫でしょう( ̄▽ ̄)ニヤリ。
偶然だけど良い事をするって気持ち良いよね~(^^)/
ホント私って天才( ̄▽ ̄)ホホホホホ。
もちろん。父は怒ったけど、あんなのは無視無視。
これで、アルと結婚出来ると思ったら、
今度はアルからクーデターをするって言ってきたの。
止めときなって言ったんだけど、聞かなかった。
しかも、私に協力して欲しいと懇願されたの。
ヤバイ事はしたくないから、断ったんだけど、
成功したら結婚すると言ったので、
仕方なくその言葉を信じて協力したわ。
クーデターは、私の大活躍で成功した(^〇^)/
アルは大国ゼノの王子になったんだけど、
私の約束を破り、大貴族で皆の人気者であり、
親友のアントワネットと結婚したの。
1番の功労者である私を利用するだけ利用して、
いらなくなったらポイッと捨てられたの。。
ムキーーーー( ̄△ ̄)!!
許さない!!。
私は仕返しをしようとしたけど、
親友のアントワネットに呼び出されて、
紅茶を飲んだら意識を失った。
気づいたら、呪いの指輪を付けられて、
魔法を封印され老婆に変えられてしまったの。
私が老婆になったのを見て、
アントワネットは嬉しそうに笑ってたの。
つまり、私を裏切ったのよ。
・・・・
しかも、私が行った夫婦の仲を裂く作戦の少~~しだけ事実とは違う記事を出し、『悪役令嬢』と名づけて、
国中の悪者に仕立てられ国外追放されてしまったの。
「絶対にギャフンと言わせて、
絶対に老人にしてやるんだから」
私は心に誓った。
そして、仕返しをするプランを考えたの。
①呪いを解く
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老婆のままだと、あっちこっちが痛くて大変だし、
魔法が使えないとすご~~~く不便だから、
何とかして解く方法を探す。
②お金を稼ぐ。
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直ぐに呪いを解く事が出来れば良いけど、
時間が掛かる可能性が高いから、お金を稼ぐ。
ただ、私は老婆だから、雇ってくれる所はない。
一からお店を開くためには資金が必要だし、
ゼノ国から近い所だと、邪魔されて儲ける前に潰される。
だから狙い目は、赤字が出ている店で遠い国が良いわ。
私のアイディアを持ってすれば、
稼ぐ事なんて簡単だわ( ̄▽ ̄)ホホホホ。
③ゼノ国に経済戦争を仕掛けて、貧乏国にする。
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・・・・
ゼノ国にありとあらゆる嫌がらせをして、
収入を減らして困らせる作戦。
例えば、お店を乗っ取ったり、
ゼノ国のお店の近くにライバル店を置いて潰したり、
輸送部隊を襲って、商品が届かなくするのも良いわね。
他にも、他国を操って経済制裁をしたら、
もっと困るはずよ。
私って、嫌がせを考えたら天才よね~( ̄▽ ̄)ホホホ。
次々と策が思い付くわ(^〇^)/
「私に敵う者などこの世に無いわ。
( ̄▽ ̄)お~~ホホホホホホホホ」
腰に両手を当てて仰け反る様に大笑いした。
「!!!!!!!!!!!」
ノアに激痛が走った。
「いたたたたた。腰が・・」
腰に手を当て四つんばいになってしまった。
「トホホホ。年に勝てないわ。早く呪いを解かないと。
イタタタタ(×_×)」
ノアに天罰が落ちたのか、この後1時間も痛さが続いてしまった。
〇ボッタクリ鑑定屋
ノアがドアを杖で押して、腰を曲げながら入って来た。
「サバル。ちょっと見て欲しい物があるんだけど」
「何言ってるんだい婆さん」
机に置いてある黒い鉱石を大きな顕微鏡で見ていた
50代の女性で髪が茶色でボサボサのサバルが言った。
「私よ。私。ノラよ」
「うん? 冗談言わないでよ」
上から下へじっくり見てサバルは、全く信じなかった。
「先月にボッタクリがバレて、裁判沙汰になった時に、
私に助けを求めたの誰だっけ?」
微笑むノア。
「なぜそれを」
困惑するサバル。
「新発売された最新鑑定機を買いたくて、
私にお金を借りに来のは誰だっけ?」
「ノアと私だけが知ってる情報だわ。
・・・って事は本当にノアなの?」
「そうよ」
「わあぉ。ノア心配したのよ」
ノアに抱きついた。
「痛い」
「本当に心配したのよ」
「痛い痛い」
「そんなに照れなくても」
「離さんかーーーーーーい( ̄△ ̄)!!」
突然大きな声で叫んだのでビックリするサバル。
「( ̄3 ̄)もう~ 体が弱くなってるんだから、
年寄りの体を労わりなさいよ。まったく」
プンプン怒るノア。
「本当にお婆さんになってしまったのね。
ゼノ国のクーデータで活躍した英雄が、
・・・・・・
今では、皆の嫌われ者になってるじゃない。
でも、どうしたのその格好は?」
「まぁ。これのせいね」
ノアが手にはめているドクロ指輪を見せた。
「おお。これはこれは。呪いの道具ね。
これ調べて良い? 調べて良い?」
珍しい呪いの道具なので、調べたくてウズウズしている。
「ええ。良いわよ」
『スコープ』
モグラの絵が描かれている茶色の指輪が光った。
すると、床から虫眼鏡を持ったモグラが飛び出した。
「どれ?」
使い魔の小さなモグラが聞いた。
「あれ?」
ノアが付けている呪いの指輪を差した。
体がドッチボールくらいの大きさのモグラは、
何回もジャンプしながら虫眼鏡を覗き込んでいた。
「これは、プロテクトが堅い。
もっと詳しく調べないとね」
モグラが見えている映像が見えるサバルが言った。
『スコープ 顕微鏡』
モグラの手が伸びて、机にある顕微鏡を取った。
すると、顕微鏡が5つに分身し、ノアの周りを囲んだ。
そして、顕微鏡がドクロ指輪に光を当てながら、
ノアの周りを徐々に早く回転し、最終的には見えない速度になっていた。
「チン!!」
音が鳴ると、回転を止めて5つの顕微鏡が1つになって、
サバルの手元に移動した。
「フムフム」
顕微鏡を持って覗き込むサバル。
「何か解った?」
「ええ。レアな道具ね」
「それで解除方法は?」
「ある一定量の魔力を吸収する事。
吸収する時はお金を支払わないといけないわ」
「何だ。心配して損しちゃった。
それくらいだったら余裕余裕(^〇^)♪♪」
ほっとした表情のノア。
「まだ、あるわよ」
「え? (゜д゜)!!」
「相性が悪い相手とキスをする事」
「はい? キ、キス?」
両手を頬に当てて、赤らめるノア。
「ええ。こっちの方が簡単そうじゃない」
「いやいやいや。無理無理無理無理無理(〇д〇)!!」
首を高速で左右に振った。
「相手をその気にさせるか、
お金をあげれば良いだけでしょ」
「いやよ。そんなの。
私のファーストキスは、結婚式にするのが夢なの」
ポッと頬が赤くなって、恋する乙女の様にうっとりした表情になった。
「(^〇^)ハハハハ。へぇ~。
ノアにそんな夢があったなんてね」
「失礼ね。そんなに笑う必要ないじゃない」
頬を膨らませて、すねた。
「すねない。すねない。(^〇^)ハハハハ。
でも、どうやって呪いを解くつもり?」
「そうね。う~~~ん。とりあえず。
相手に会ってから対策を練るわ」
・・・
「得意の悪知恵ね」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑った。
「違うわよ。策略よ。さ・く・りゃ・く」
「へいへい。わかりました」
「それで、相性が悪い相手をどうやって見つけるの?」
「それは、このドクロ指輪が反応する方向に行けば良いのよ」
「このドクロ指輪?」
ドクロ指輪を見ながら、ゆっくり360度回転した。
「あ∑(゜д゜)。反応があった!!」
ドクロ指輪の目が薄赤く点滅していた。
「ね。簡単でしょ」
「そうね。この方角だと、モンナシ国の方ね。
ありがとう。じゃ」
用が済んだのでサッサと店を出た。
「あ。まだ解除するためにする事があるけど・・・
まぁ良いか。また来た時に。
さぁ。ぼったくりし~よう(^〇^)/
ぼったくり♪ ぼったくり♪ ぼったくり♪」
使い魔のモグラと一緒に楽しそうに踊りながら、
懲りずに、ぼったくりをする気満々のサバルだった。
〇モンナシ国の寂しい町サム
「ここにいるのね」
ノアがドクロ指輪の目を見ると点滅が早く、
色も濃い赤に変っていた。
ノアはドクロ指輪を見ながら、腰を曲げ杖を付いてゆっくり歩いた。
「この男ね」
ノアは、魔法道具店に閉店の紙を貼っている後ろ姿の男を見つけて呟いた。
「何かドキドキしてきた。
べ、別に直ぐにキスするわけではないから・・・」
手に胸を当てて深呼吸する。
「でも、キスってどんな味がするんだろう?
色々な人に聞いてみると、甘酸っぱい味とか、
甘い味がするとか、人によって色々だけど、
共通して言っているのは、『気持ち良い』らしいの。
どんなに気持ちが良いのかしら
・・・・( ̄▽ ̄)デヘデヘデヘ」
妄想し始めた。
「いけない。いけない。私とした事が。
はしたないわ・・・・・( ̄▽ ̄)デヘヘへへ」
ヨダレを垂らして妄想するノアだった。
「ちょっと。何かようかい?」
さっき閉店の紙を貼っていた男が、
腕組みをして聞いてきた。
「( ̄3 ̄)デへへへ・・・・・ふぇ?」
唇を突き出してキスの妄想をしていたノアは、
男を見て目を大きく見開いて驚いた。
「ア、アル・・・に似ている」
許婚でノアを捨てた男、今はゼノ国の王子アルに似ていたのだ。
(ビックリした~(゜д゜)。
ぱっと見た感じアルに似てたけど別人ね。
雰囲気が似ているけど。
・・
でも、この男は嫌いなタイプ。
女性の様に美しい顔でイケメンだし、
服のセンスも良い。きっとモテモテよね。
何でイケメンが嫌いかって?
私も前まではイケメンが好きだったの。
でも、私を裏切ったアルのせいで、
イケメンが嫌いになったのよね。
あ~~~~思い出してムカついてきた。
絶対に仕返しをしてやるんだから( ̄△ ̄)!!)
怖い形相で何回も足を地面に踏みつけた。
「おい。何をやってるんだ?」
疑いの目で見ているイケメン男。
「あ・・・ハハハハ。あなたに良い話があるの」
「良い話?」
・・・
「そう。ある物を売って、私の経営ノウハウを使えば、 借金を返す事が出来るわよ。
ただし、条件がある」
「条件?」
「そう。私とキ、キ、キスをしなさい」
顔を赤らませてモジモジしながら言った。
「嫌だ」
そっけなく答えた。
「な、何でよ。借金を返せるのよ」
思っていた回答と違って焦るノア。
・
「婆さんと出来るわけないだろ」
・
「婆さん?・・・・・・って誰の事かな?」
怖い笑顔のノアは、手をポキポキ鳴らした。
「ひょええ~~助けて~~(×д×)!!」
「私は婆さんじゃない。
立派な22歳の乙女よ~~( ̄△ ̄)!!」
ノアは両手で服を掴み左右に高速で揺した。
そして、バランスを崩したイケメン男を押し倒した。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ノアは大きく見開いた。
なんと(〇д〇)!!
倒れているイケメン男とキスをしてまったのだ。
お気に入りと高評価をしてくれたら、飛び上がるほど嬉しいです(o´∀`)b