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僕の名前はジュン。
事務所cccに所属する韓日男性グループDARKの、JUNJUNとして活動している。
僕はグループDARKのメインボーカルを担当していて、ダンスも得意だったりする。韓国と日本のハーフだけど、グループは韓国・日本人で構成されているため、不安に思うことはない。
最近は結成5年を迎え、グループ仲も良く、曲も良いグループとして名を馳せていると自信をもって言えるようになった。冠番組も中々いい感じで、絶好調。強いて困ることを上げるなら…ファンに過激な人がいることだろうか。
ホテルの部屋ピンポンは、焦ったよ…かなりね。
「ジュンー!行くよー!早く乗って!」
『今行きますー!』
今は移動中なんだ。
宿舎へとね。
中で疲れ果てたのか寝てるヨン兄さんのほっぺを突き、起きないのを確認してから写真を一枚。
「ジュン、起こさないでよ〜。」
「これ掛けとけば?投げるぞ!」
前に座るソユル、ラオン兄さんたちに言われながらも寝顔パシャリは起きるか起きないかのヒヤヒヤが面白くて時々やってしまう。
14歳のときデビューしてからもう5年。デビュー当初はまだ体も成長しきってなくて体力もなかったから、移動中はよく寝ていた。
シャキッて起きられる癖に寝相が悪いから、兄さんたちの肩をよく借り、迷惑をかけたな、なんてことを思い出しながらラオン兄さんから受け取った毛布を掛ける。
「ヨン兄さん疲れてるんだよ。僕たちも帰ったら早く寝よう。明日握手会だし。」
ソユル兄さんはそう言うけれど、ラオン兄さんと後ろの車に乗ってるリョウ兄さんが帰ったらゲームを一戦やろうって話してたのを知っている身としては…苦笑いしかできないよね。
魔が悪くなったのかラオン兄さんはフードかぶっちゃったし…。
今日は早く部屋に籠ろうと思った移動時間だった。
「ジュンってさ、ゲーム全然やらないよね。」
「ソユル兄さんこそやらないじゃないですか。」
そうさり気なく返すけど、僕は正直、ゲームが苦手なのだ。ゲームを楽しむ期間をダンスやら歌やらに費やしたお陰で運動は基本得意なのだが…。
「ソユル〜!選手交替!」
「ちょっとだけだよ。」
ファンの皆、驚かないでね。ソユル兄さんはゲーム意外と得意なんだ。あんなにのんびりしててゲームは高速だから。
「ジュン!やってみれば〜!」
ソ、ソユル兄さん…。
「練習してきます。」
逃げるが勝ちってやつ。心の底からそう思う。