人生を救った作家東由紀
本屋にて衝撃の事実を知ってしまい。気が動転してしまいそうな、俺こと陸奥雄介。
そして、俺は過去の自分のことを思い出してしまう。
南に。東由紀先生に……
前代未聞作家物語これにて開幕!!!
「と、と、と、とりあえず水を……」
「陸奥君?そんな慌ててどうしたの?」
どうしたもこうも、あの米川先生がお父さんで、本人があの東先生だなんて。
こんな現実そうそう受け入れれる訳ねぇだろ!!
どこのラノベ主人公なんだよ(大事な事なので二度いいました)
でも、まてよ。目の前にいる美少女がホントに東先生なら……
俺が作家になる希望の道がさらにフラットになったのでは?!
東先生、そして、米川先生に小説の書き方を教われば!!!
「いやぁ~ほんとに驚きしかなくてね~。南さん。ううん、東先生!!」
「はい?!」
「俺を弟子にしてください!!!!!」
「え?」
突然言われても困るよなぁ。でも、俺は……俺は……!
「俺実は、雪里千草って名前で地道に小説書いてて。新人賞とかにも応募してて。でも、世間にはみとめてもらえないような作品しか。できなくて……俺は、東先生のラノベを、物語を読んで感動したんだ!もう一度、頑張ってみよう!って思ったんだ!だから……だから!どうか俺を弟子にしてください!」
そうだ、これが俺に残された最後のチャンスなんだ。
俺は落選通知が届くたび何度もやめようと思った。
でも、やめなかった。小説が……ラノベが……物語が大好きだから!
でも、27回MATCH文庫新人賞 二次選考にて落選した。今度こそはいける!と思った力作だっただけに、ショックが大きかった。そして、俺は小説を書くことをやめ。ただの消費型ヲタへと戻った。
そして、俺が消費型ヲタとなって3か月。
27回MATCH文庫新人賞大賞受賞作<俺と姉ちゃんのパーソナルスペース>が発売された。
聞けば、初応募初当選だという。それを聞いた時に、俺は改めてセンスというものを思い知らされた。頑張ったってなにも変わりゃしない。初戦は神から振り分けられたスキルポイントに見合った生き方をしないといけないんだと。
そして、俺は読んだ。何度も読み返した。
<俺と姉ちゃんのパーソナルスペース>これは、大正後期を舞台に主人公と姉が禁断の恋をする物語だ。
所詮はただのラブコメ。そう思っていた。
でも、この作品は俺の人生を変えてくれた。
所詮はただの物語上の話かもしれない。でも、決して許されることのない関係を二人でどうにか乗り越えようとする、物語の中の二人はとてもカッコよかった。
神からのスキルポイント?冗談じゃない!そんなの自分で変えればいいんじゃないか!
そう思った。そして、今に至る。
あの作品がなければ、今の俺は存在しない。
そう。今の俺を作り上げたのは東由紀先生。あなたなんだ。
「え~と……突然言われても、どう返答すればいいのかわからないんだけど。陸奥君に協力できることがあるなら、私は協力する!」
「え!ホントか!!」
「うん♪でも、弟子にはしないよ」
「え?」
弟子にはしない。その一言が胸に刺さる。要するに、東由紀としては協力しないってことか……
「弟子なんて、いやだよ。同じ作家仲間として頑張っていこうね!雪里先生♪」
「作家仲間だなんて。俺はまだデビューすら、してないし。そんな呼ばれ方はまだ……」
「何を言ってるの?人間は生まれたときから詩人なんだよ。それと同じこと。物語を書きたい!そう思った時点でもう君は立派な作家なんだよ!改めましてよろしくね♪」
彼女の笑顔がとても輝いて見えた。
どうしてだろうか。こんなにも、心が震えた言葉は初めてだ。
これが、あの東由紀の言葉なのか。
これが、俺を救ってくれた作家なのか。
俺はこの人のようになりたい。
そして、いつか、この人に認められるような作家になりたい。
頑張るよ。俺!
最高の物語を創るよ!
「あ、そうだ!陸奥君!この後家寄っていかない?」
「よろこんで!!…………ん。ってえええええええええ!!!!」
いや~小説かいてるとほんと挫折しそうになる時ってありますよねぇ~。
自宅訪問回の予定が少しんのびちゃいました(笑)
という訳で!
次回>>作家のおうちに訪問してしまいました。
乞うご期待!