本屋デート?!
本屋デートへと突如拉致られた俺氏こと陸奥雄介。
脳内はニコ生のことで一杯です、衝撃の事実が発覚する本屋デートこれにて開幕
ニコ生がすでに始まった17時10分。
俺はパソコンの前……ではなく、来松書店へ居た。
「ねぇねぇ陸奥君!この本面白そうじゃない?」
そういって読書家美少女こと南優香が一冊の本を差し出してきた。
<鉄のポスター>
観たことも聞いたこともない。
「鉄のポスターか……面白そうだねぇ!アハハ」
俺はラノベ・漫画専門なので、一般小説はさっぱりだ……まぁ、物心ついてた時からラノベを読んでたってのもあるんだけどね……それのすべての元凶は母親と父親だ。
俺の母親と父親は俗にいうメ〇ト族だ。あの青色の袋が大量に家にある。
そもそも、母親と父親の出会った場所が秋葉原ってので、察していただけるとありがたい。
つまりだ。俺はヲタクとヲタクのサラブレッドって訳だ。だから、物心ついた時からラノベだったの。
一般人は絵本の読み聞かせ~だとか、公園へお出かけ~とか、おしゃれなカフェでランチ~とかだろうが、俺の場合は、ラノベの読み聞かせ~、秋葉原/日本橋へお出かけ~、コラボカフェでランチ~ってな感じだ。
母親は関西人で父親は関東人。つまり日本橋と秋葉原のハーフでもある。
「ねぇ。陸奥君聞いてる?」
「え、あぁ聞いてるよ。それも面白そうだねぇ~」
まったく聞いてなかった。
陸奥流生き抜く術その2!!とりあえず適当に受け流せ!!!
「で、陸奥君は何を買うの??」
「え、俺?俺は……特に今日はないかなぁ~」
ラノベは発売日に気になるのは一通り買ってるし、そもそも、南の前ではなんか買いずらいし。
あぁ。もっとヲタクにやさしい世の中になればなぁ~~
そう、俺の夢はヲタクに寛容な社会を作ること、ただそれだけだ。
「ふぅ~ん。そっか!じゃあ、私お会計してくるねぇ~♪」
そう言って彼女はお目当ての<幾望の月>と<俺と姉ちゃんのパーソナルスペース>を持って会計へと向かった。
…………ん?
ええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!
何故?!?!何故、彼女が俺と姉ちゃんのパーソナルスペースをレジへ持って行った?!
あれは今年の春に発表されたMATCH文庫の新人賞受賞ラノベだぞ?!
あの独特で、インパクトの強い表紙を見間違うわけがない!!
まさか……もしかして……彼女は……こっち側の人間??
いやいや!そんなはずはない。だって彼女はあの南優香だぞ?
いや、あのってなんだよ。まだ出会って二日じゃないか。
可能性は……ある……か。
「お待たせ~♪」
イチかバチか……
「南さんってもしかしてライトノベルとか読むの?」
「ライトノベル……?なにそれ」
「え?あぁ、レジへ俺と姉ちゃんのパーソナルスペースってラノベ持って行ってたろ?」
「え?あぁこれ!これをラノベっていうんだ……へぇ~」
「え??知らないで買ったの??」
「まぁ~ねぇ~……へぇまさか私、いつの間にかラノベなんて書いてたんだぁ~」
「気づいてなかったんだ!!…………え??」
「ん?」
「今書いたって言った??」
「えぇ。言ったわよ?このペンネームの東由紀って私だもの」
「ええええええええええええええええええええ!!!あの、東先生が、南?!?!?!?」
「そうよ?あれ、もしかして、陸奥君読んでくれたの?」
「読んだも何も、新人賞の読者投票で俺、投票したよ!!発売特典も全店舗分集めたよ!!絶対人気出るって確信してたもん!!…………は!!」
「あぁ~なるほど、ってことは陸奥君はこちら側の人間だったんだ~♪」
「いや、そういうわけでは」
しまった。興奮のあまり理性を失って、いつものヲタク特有早口を発動してしまった……
「ほほ~ん。まぁ隠さなくてもいいよ~。私も一応ラノベ作家?になるんだから似たようなもんだよ~」
先ほどまでただの読書家美少女だったのに、突如ラノベ作家へと進化した。こんなことwikiには載ってなかったぞ……
「なるほどねぇ~陸奥君がヲタクだったなんてねぇ~」
「……」
「なんか、陸奥君の誰も知らない秘密を知れてなんか嬉しいなぁ~てへへ♪」
でも、もともとこの学校に来た目標?目的は達成されたような気がする。
まさか、あの東先生が同じ学校になるなんて……宝くじの一等当たるよりもすごい確率だよ……これ……
衝撃すぎる事実。
私もそんな体験してみたいい!!
ってなわけで!
次回>>憧れの作家 乞うご期待!!