エカ・バース

1にちめ

ぼくがめざめると、そこにはだだっ広い土地がありました。

とおくまでまっすぐ見えます。

ぼくはつかれるまで歩きました。

ぼくの他には動物も人も、生きているものはいないようです。

2にちめ

ぼくは何をすればいいのか分からないので、ただひたすら歩きました。

ここにはしぜんがあるだけです。

ぼくは右も左も分からないのに、お日さまはぼくをばかにするみたいに、上から見ているだけでした。

3にちめ

ぼくはだんだんたいくつしてきました。

だれとも話せないので、さびしくなってきました。

なぜここにはだれもいないのでしょう。

どうしてぼくだけが生きているのでしょう。

4にちめ

ぼくはふと宇宙を見ました。

ここよりもずっと広く、何でもあるような気がしました。

もしかすると、だれかがいるかもしれません。

ぼくはだれかとお話がしたかったので、宇宙に行こうと思いました。

だれかは「友だち」になってくれるでしょうか。

X日目

僕は長い時間をかけ、ロケットを完成させました。

この星にはあまりに何も無く、大変苦労しました。

僕はついにこの星から飛び立ちます。

ついに、何も与えてくれなかったこの星とさよならできるのです。

僕の「友達」は見つかるでしょうか。

XX日目

僕がオンボロ船で宇宙へ飛び出してから随分と経ちました。

もう何日目なのかも覚えていません。

ここが何処なのかもわかりません。

僕を馬鹿にしていた太陽は、今も僕を嘲笑うように照らしてくれています。

XXX日目

僕はとんでもない間違いをしていました。

宇宙には何もありません。

誰もいません。

僕は怖くなってきました。

止まりたくても、推進力はそれを許してはくれません。

僕は何処に向かっているのでしょう？

僕は帰りたいです。何も無かったあの星に帰りたいです。

僕はどうすればいいのでしょう？

ようやく自由になれたと思ったのに、あの頃とちっとも変わっちゃいませんでした。

僕は 僕は 僕は…

…僕は恐らく、同じ事を何度も繰り返しているのでしょう。

全部忘れて、それでも何度だって惹かれてしまっているのだ。

美しく寛容で寂しい、母なる空に

──だい0にちめ

ぼくは宇宙のどこかに生まれ着いたようです。

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閲覧ありがとうございました。

マイクラやってて思い付いた作品です(？)

タイトルのエカはサンスクリット語の1から取りました～

次回作「ソティラス・エンド」は対になってますのでそちらも是非:-)！