↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/71

【第一章】第七部分

(ちょっと、ヤマナシケン。いったいどうするのよ。)


「咲良様とは、全然全く微塵も百%関係ないから大丈夫。」


(それはそうだけど、その言い方はなんだかムカつくわね。)


「名詩魅。この目を見てよ。ボクはウソをついてないよ。」


和人は最大の目力を投入した。つまり大きく、カッと目を見開いたまま、名詩魅に顔を近づけた。今にもコクりそうな勢いである。

さすがに和人の迫力に押されて、名詩魅の目が脱力した。


「その目、許嫁、久しぶりに見た。真実、訴えて、売り飛ばす迫力。∴縦笛疑惑、解除。」


「やった。疑いが晴れた!」

和人が思った瞬間。


「ハクション!」

和人は目に力を入れ過ぎて、涙腺が弛緩し、鼻の方に流れ出てしまったのである。

結果、和人はくしゃみして歌口に触れてしまった。


(あはん!)


「かずちゃん。今の不審音声。∴追及する。」


「今の声はボクだよ。たまにあははんと笑う練習をするんだ。あははん。」


和人の大脳はそのように言うという指示を声帯に貸したが、残念ながら、口はリコーダーをくわえたままだった。空気を送り込まれたリコーダーは空気摩擦を起こしてしまう。

『ぴーひょろろ♪』という鉄板でトリッキーなサウンドが流れた。


『どどーん!』

和人と名詩魅の目の前には、二枚の羽を靡かせる白いドレスの天使咲良が現れた。

名詩魅はあっけに取られ、横長目は線になってしまい、和人は口開けの許容範囲を超えてアゴが外れた。


「かずちゃん。またウソついた。∴かずちゃん、裏切りタヌキになった!」

名詩魅は紫色のモヤモヤがスーパーサイヤ人のように燃え盛った。表情はいつもの通り鉄仮面ではあったが。


「名詩魅のモヤモヤが変化してるよ。これってまさか。」

モヤモヤは脈打つように突起状に蠢いて、だんだんと形ができてきた。


「そのまさかよ!昨日の夜に家に来たヤツと同じ?」


「でも角が二本あるよ。」


「少しぐらいは違いはあるわよ。昨日と同じく鼻を狙うのよ。」


「でも違う種類だけど、同じ手が通用するかな?」


「そんな細かいことを気にしてたら、小さくなっちゃうわよ。」


「何が小さくなるんだよ?」


「なんでもよ!些細な言葉に深入りするのは警察の仕事なんだから。さっさとやりなさいよ。」


「その女、どこの誰か知らない。どこに女子力、あるのかわからない。∴かずちゃんの視線で判断する。」

和人は名詩魅の言葉に誘発されて、こともあろうに、両者のバストを見てしまった。

さらに、言わなきゃいいフレーズを漏らしてしまった。


「ボリュームでは、名詩魅の完勝だね。」

名詩魅は自分の胸を触り、手のひらでサイズを計測し、その大きさを咲良に示した。


苦虫を噛み潰したように、咲良の顔に皺の波が押し寄せた。


「バカ~!もう許さないわよ!」


「許嫁を許さないという言葉、もらった。∴今から術獣で殺す。」


「名詩魅。それは穏やかじゃないよ。むしろ、ボクの説明を聞いてほしいよ!」


「その女のこと、聞いてもムダ知識。∴宣戦布告!」


名詩魅の言葉と共に二本角獣が和人に飛びかかった。



「あわわわ!でもこれでゲームオーバーだよ!」

和人は右手を伸ばして、二本角獣の鼻を狙い、見事にヒットさせた。

不幸にも和人の予想が的中してしまい、二本角獣はなんらダメージを受けず、代わりに和人は深く硬い爪の餌食となった。


「うぎゃあああ~!」

額から大量出血する和人。


「時魔法を使うわよ。1秒だけ戻ったら魔獣をどけるのよ!相対魔法、術式・時、制限・オン。対象・人間1名、範囲・全身、時間・1秒、到級1。発動!」


咲良が大きな声を出した。


『ぎゅるるる~!』


音はしていないが、和人には時間の巻き戻しはそのような感覚であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。