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【第三章】第三十一部分

「ヤマナシケン!気持ちはわかるけど、次に予想されることはヤマナシケンの命に関わることだわよ。それでなくてもその体。これからどうしようっていうのよ。」

「ボクの命は大切だけど、世界がこんな風になってしまったのもボクのせい。ひとりの人間としての責任があるよ。」

「ヤマナシケンがいなくなったら、アタシはどうすればいいのよ。」

「下僕なら代わりはいくらでもいるさ。天使様なんだから、崇める人もそのうち現れるさ。」

「そんなのダメよ。アタシにはヤマナシケンがいちばんなんだから。」

「ありがとう。でもここまで来たのは咲良様に会うために来たんだよ。それが達成できてよかったよ。」

「時間がないぞ。こうするしかないんじゃからな!」

 おジャ魔腐女どれみは、小さな体を丸めるようにして、咲良に体当たりした。咲良はその勢いで、和人にぶつかった。唇と唇が触れ合った。

『ギュウウンン』という音がしたような気がした。

「よし。これで時間質量を補填できた。それも『冷蔵庫』を満タンにできたぞい。これなら大丈夫じゃ。呪文を唱えるがよい。今すぐにじゃ!」

「アタシに、到級10なんて使えるのかしら?」

「いやできるはずじゃ。そなたには到級を抑える魔法がかけられていたんじゃ。天界が消滅した今、そのリミッターが外されておる。自分を信じるんじゃ!」

「わかったわ。よし。絶対魔法、術式・時、制限・オフ。対象・世界、範囲・人間界・魔界・天界、時間・3分、到級10。発動!」 

 咲良はカッと目を見開いて、大きな声で呪文を唱えた。



「どうやら、3分前の人間界に戻ってきたようじゃな。ここは元居た場所とは違うところじゃ。範囲を全世界にすると、到級10で3分間が限界じゃったな。ダメ天使よ。そなたはよくやったぞ。人類、悪魔、天使を救ったんじゃからな。」

 学校のグラウンドに、おジャ魔腐女どれみ、咲良、実亜里がいた。実亜里はいまだに眠っていた。

「ヤマナシケンはどこにいるの?」

「時間質量を全部食われて、完全に消滅したようじゃな。もはやこの世界、いやどこの世界にもおらんじゃろうな。」

「ヤマナシケン~!」

 咲良は泣き叫んで、グラウンドの土を濡らすしかなかった。


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