【第三章】第三十部分
(アタシは爆発で目が覚めた瞬間、時間魔法を1秒使って、アタシと実亜里だけを1秒だけ戻したら、この奇妙な空間にいたのよ。実亜里は寝ているわ。気を失っているんだと思うわ。)「そなたちは、どうやら別の異空間にいるらしいのう。交信ができること自体奇跡じゃが。それ以上に、ビッグバンを時間遡行で回避したこともスゴイがの。・・・。待てよ。それは重要なヒントじゃな。もしかしたら。」
「おジャ魔腐女どれみさん。何か解決策を思いついたの?」
「うむ。そんなところじゃ。妾の全力で、時空移動をやってみよう。向こうはもう魔法は使えまい。ちょっと妾も命がけになりそうじゃが、これしか方法がない。ダメ人間。すまんがそなたの時間質量を食わせてもらうぞ。食って、魔力に変換するのに、これがいちばん効率的なんじゃ。」
「どういうこと。まさかとは思うけど、小蛇狙い?」
「愚か者が!そんなはしたないことを高貴な妾がするか!って、だいたい小蛇狙いって、どんなプレイじゃ?妾は純情可憐チルドレンじゃから、そんなことは知らんぞ。」
「言ってる意味がわからないよ。」
「四の五の言うな。これがいちばんなんじゃ!ぶちゅう、ぶちゅう、ぶちゅう~。」
思いっきりディープとも言えるキスを和人に押し付けて、ちゅうちゅう吸い込んだおジャ魔腐女どれみ。
「ぷはーッ。初めてビールを飲んだ時のことを思い出したわ。これは実にコクがあって、キレがあるわい。」
「ううう。こんなことって。もうおムコにいけないよ。」
「大袈裟じゃ。時間がないぞ。それでは参るぞ。絶対魔法、術式・時空、制限・オン。対象・妾とタダの人間、範囲・全身、時間・3秒、到級9。発動!」
「スゴイスピードだ!何も見えないよ。空間が流体のように走っているよ!」
「そんな風に見えているだけじゃ。空間のないところで、物体の概念は存在しないんじゃ。人間の大脳が、違う次元に移動するという未経験のことを認識しようとして、感覚が格闘しているだけじゃろう。実際、妾たちは元居た場所から全く動いておらん。強いて言えば体をばたつかせただけじゃ。ほら、もう着いたぞい。」
「ヤマナシケン!よく生きていたわね。しぶとさだけは犬を超えているわ。・・・って、その体はいったい?」
「咲良様。よくぞご無事で。・・・たしかに、そう喜んでいられない状態かも。」
和人の体の四分の三は、なくなっていた。体の外郭線だけが残っており、どんな体だったのが、うっすらと見える程度であった。
「さあ、次が最大の難関じゃ。タダの人間よ。人間界、魔界、天界を元に戻したいか?」
「それはもちろんそうだよ。そのためならなんだってするよ。」




