【第三章】第二十九部分
「妾とて、他に手段があるなら、アダムとイブの議論を持ち込むことはせんぞ。妾にだって、恋の相手を選ぶ権利はあるんじゃぞ。妾にもどうしたらいいか、まったくわからんのじゃ。ううう。」
おジャ魔腐女どれみもうっすらと涙目になった。
「うわ~ん。ボクはいったいどうしたらいいんだ?」
ついに涙腺のダムが堰を切ってしまった和人。
「ううう~。」
おジャ魔腐女どれみも嗚咽を漏らした。
たったふたりしかいない世界は涙と鳴き声で満たされていた。
(・・・・・ヤ)
「・・・何?」
(・・・・ヤマ)
「・・何か聞こえた?」
(・・ヤマナシ)
「ひ、人の声?・・ま、まさか」
(ヤマナシケン。)
今度は完全に声が聞こえた。
「咲良様!?」
(そうよ。ヤマナシケンのご主人様の咲良よ!)
「咲良様!生きていたんだ!よかった!ううう。うわ~ん。」
和人は再び泣きぬれた。
(泣いてるの?そんな場合じゃないでしょ!)
「そ、そうだね。咲良様、いったいどこにいるの?」
(アタシも今どこにいるのか、わからない。)
「咲良様。どうやら世界が消滅したみたいなんだけど。」
(やっぱりそうなのね。そんな雰囲気が満載だわ。真っ白な空間で、まるで宙に浮いているみたいで、自分の形と実亜里だけしか認識できない感覚にとらわれているわ。)
「実亜里も無事なんだ。よかった。で、咲良様はどうやって、人間界から脱出したの?」




