【第三章】第二十五部分
「くだらない事言ってないで、お兄ちゃんを返してよ。お兄ちゃんの腕の様子がおかしいよ。まさか、お兄ちゃんの小蛇を喰ったんじゃないよね?」
「小蛇?そこにはあまり興味ありません。」
「くそお!いつか、ゼッタイ、ボクは大蛇王になってやる!」
「お兄ちゃん、その意気だよ。みあのために、大きくなってね。」
「これはこれは、性癖のねじ曲がったブラコン天使ですね。そういう輩は大嫌いです。さきほど、前菜をいただきました。これから少しずつ、大切に消化していきますからね。」
「お兄ちゃんを放さないんだったら、こっちも考えがあるよ。」
「どうぞ、どうぞ。天使からの陳情なら一切受け付けませんから。」
「そう。そんな汚職議員に清き一票はいれないよ。代わりにこれを投じてやるよ!相対魔法、術式・火、制限・オン。対象・汚職議員、範囲・全身、時間・10秒、到級4。発動!」
実亜里の体から火柱が火炎放射器のように立って、芳香議員を襲う。その体をグルグル巻きにするが、『シュウウウウ』という音ともに、火柱は消え去った。
「全然効きませんね。今のは無効投票です。ハハハ。」
「ええ?じゃあ、仕方ないなあ。これはやりたくなかったけど、お姉ちゃん、ちょっと、手伝って。もっともお姉ちゃんのちょっとは、全時間質量ってことになるけど。」
「いちいちうるさいわね。でもこの状況から姉妹でコラボするしかなさそうね。」
「「相対魔法、術式・火、制限・オン。対象・汚職議員、範囲・全身、時間・2秒、到級3。発動!」」
姉妹はふたり同時に火魔法の呪文を唱えた。さきほどの火柱の3倍はある。到級は3であるが、コラボの相乗効果で威力は大きく増加した。同じ火魔法でも異質なものは、互いにぶつかりあうので、威力が大きく増すのである。
「あらあら。これだと、少しは魔力議論の余地がありますね。自衛隊を使いますよ。それでは軽い体操をするための栄養補給をしておきましょう。パクリ、パクリ。くーッ。五臓六腑に染み渡ります!相対魔法、術式・風、制限・オン。対象・自分、範囲・全身、時間・3秒、到級9。発動!」
半透明な風が芳香議員の全身を覆って、揺らめいている。
そのゆらめきに先鋭化した火柱が激しく衝突する。
しかし、姉妹の魔力は鉄のガードに簡単に弾かれた。
「この『魔力自衛隊』は、自分からは交戦しませんけど、攻撃を受けたら身を守るために、反撃するのです。便利なオートカウンターです。」
姉妹の放った魔力の火柱はそのままふたりに返っていった。あまりの反撃スピードに、防御魔力を使う時間もなく、そのまま姉妹にぶつかった。
「「うわああああ~!」」




