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【第三章】第十九部分

「もうそこまでにするですよ。天使一人倒したところで、大した成果にはならないですよ。」

 入場券販売員は名詩魅を止めようとする。

「こうしないとなぜか許嫁の気分、収まらない。∴この使命実行、継続する。同じ魔界革新党員だけど、止めるなら戦うのみ。」

名詩魅は眉間に深い皺を刻みつけて、咲良へのリンチを続けている。

「もうそこら辺にしておけ!」

 幼女のような声だが、しっかりと耳につく言葉が名詩魅たちに入ってきた。

真ん中に『閻』という文字の書かれた逆さ台形の帽子。錦糸で作られた光沢のある赤い着物。右手には真っ黒なしゃくを持っている。

闇帽子の幼女はゆっくりと入場券販売員たちのところに近づいてきた。

「この人は、閻魔女王様ですよ。写真で見たことがあるですよ。!!!」

 真っ先に気づいた入場券販売員が非礼にも指を差した。

「閻魔女王様!?」

 名詩魅も閻魔女王に気づき、入場券販売員とともにひれ伏した。

『パシッ!パシッ!』

 閻魔女王は名詩魅と入場券販売員を笏で叩いた。

「妾のことがわからぬか。」

 閻魔女王は、黄色い幼稚園児用の帽子に被り直した。

「まさか、閻魔女王様は、おジャ魔腐女どれみさんのお婆ちゃんですよ。!?」

「お婆ちゃんは余計じゃ。せっかく、昨日助けてやったのに、こんなことになってしまうとは。妾の寿命が縮まってしまうじゃろうが。」

「あのですよ。いろいろ聞きたいことがありますですよ。でもまずはこれですよ。閻魔女王様はどうして、こんなところにいらっしゃったのですかですよ。」

 頭を少し上げて、閻魔女王に物申す入場券販売員。

「それには少々説明が必要じゃ。妾は魔界の最高指導者である。知っている通り、議会の上には、閻魔女王が立っているのが、魔界の制度じゃ。魔界は基本的に王国である。政治は議会中心に行われているが、政治は閻魔女王から議会に委ねられているものじゃな。そこで閻魔女王としての立ち位置は、中立であることがいちばんじゃ。さきほど、魔族保守党と魔界革新党の両方の党首に、天界との休戦条約の批准を指示してきたところじゃ。やがて天界も受け入れするであろう。だから、お前たちの争いはもはや無意味である。だから、妾はそなたたちの争いを止めにやってきたのじゃ。」

 今度は名詩魅が閻魔女王にびっくりしたような顔を向けた。


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