【第三章】第十七部分
「うわあああ!スゴイ爆発力だ!」
イケメン百鬼議員は走り始めた位置よりもさらに遠いところに飛ばされた。
そこは地面がゴツゴツしており、かなりの出血をしている。
「あらら。力を入れ過ぎちゃったのかしら?でも魔法だからこれ以上制御できないし。ハゲ悪魔はスゴク弱っちくなっちゃったのかしら。いやアタシが強過ぎるのは最初からだけどね。ウフフフ。」
すっかりご満悦モードになった咲良。白いもふもふの付いたバブリーな扇子をどこからか取り出して、自分に向けて扇いでいる。
「くそおお~!こうなったら、俺の最大魔法で、一気に引導を渡してやるぜ。しかもその憎たらしいアタマにぶち込んでやるぜ。一点集中は効果絶大だからな!相対魔法、術式・火、制限・オン。対象・超絶ダメ天使、範囲・頭、時間・1分、到級5。発動!」
『ドドドドドドドドド~!』
狙いは咲良の頭部だったはずだが、あまりの威力で、爆風が吹き荒れ、周囲の瓦礫が舞い上がって、飛散した。
『シュウウウウウ』
台風一過のように、夢の島に静けさがもたらされた。
そこには咲良が何事もなかったかのように、ポツンと突っ立っていた。
「今の風、この扇子よりも効果がなかったわ。アタシ、暑いんだけど。扇風機でも持って来てよ。」
百鬼議員が魔法を発動した瞬間に、咲良は1秒の爆発魔法を自分の頭部にかけた。その勢いが猛烈で爆風が吹いたのは、百鬼議員の魔法ではなく、咲良のそれだったのである。
百鬼議員の魔法で発生した爆風は、咲良の1秒爆風に飲み込まれていたのである。
「ぐぐぐ。こんなにスゴイ爆発魔法は初めて見た。武闘派幹部のこの俺がこんなところで、負けてしまうとは・・・。バタン。」
力尽きた百鬼議員は、白目を剥いてうつ伏せに倒れた。
「なんてことないわね。やっぱり悪魔って、全然大したことなかったわ。ほら、あんたたち、起きなさいよ。」
咲良はうずくまっていた実亜里、入場券販売員のところに行って、珍しく優しい声を掛けた。
「お姉ちゃん。みあはいったい何をしてたんだろう。」
「あれ?販売員はどうしてこんなところで寝ているんですよ?」
「クソ委員長はどこに行ったのかしら。」
咲良が額に手を当てて辺りを見回したが、委員長の姿は見当たらなかった。




