【第三章】第十六部分
「強がるのもいいなあ。嗜虐心をくすぐられるぜ。」
両手をゾンビのように伸ばして、咲良に迫るイケメン百鬼議員。
「や、やめなさいよ。アタシに手を出したら、あんた、死ぬより辛い目に遭うわよ。」
「いいね、いいねえ。貧乳すればどんす。貧乳は抵抗すれば闇落ちする運命なんだぜ。」
「言ってることがビタイチわからないわ。」
ゾンビの指先はブラブラしながら、咲良の貧乳に接近して、ついに、頂点に触れた!
「きゃああああ~!」
悲鳴を上げて暴れた咲良。
「今助けるよ!」
和人が咲良に駆け寄ると、咲良は少し体が動いた。和人は自分の体を差し出すように咲良に預けた。そのまま無意識のうちに、ガブリと和人に噛みついた咲良。
『ズキュウウウウ~ン!』
倒れていた咲良はイケメン百鬼議員をぶっ飛ばして、立ち上がった。目は爛々と輝いている。
「コ、コイツ、いったい何をしやがった。前とは全然違う雰囲気だぞ。」
地面に腰を付けたまま、後退りするイケメン百鬼議員。
「体に力が漲っているわ。それに大きくなったような気がするわ。」
体の大きさ自体に変化はないが、全身が引き締まったような感覚というのが正解であろう。
「ナリが変わったからってビビるのは武闘派議員ではない。やってやろうじゃないか。」
少々震えながらも議員魂を発揮して、立ち上がり、咲良の方に向かうイケメン百鬼議員。
「かかってきなさいよ。でもアタシに触れることは超NGだけどね。」
「しゃらくせえ~!」
猛然と咲良の元にダッシュするイケメン百鬼議員。走りながら右手を大きく引いて、咲良に殴りかかる。
「魔法じゃなく、怒りに任せた物理攻撃ね。いいわよ。でも触るのはキモイから受け止めないわよ。相対魔法、術式・火、制限・オン。対象・ハゲ悪魔、範囲・全身、時間・1秒、到級3。発動!」
『ボン!』
咲良の周りで爆発音がして、イケメン百鬼議員は弾き飛ばされた。




