【第三章】第十四部分
『ズカッ、ズカッ、ズカッ。』
バトルで砂埃が舞い散って視界が悪かったところに、風が吹いて、髭面の禿頭が見えてきた。
「国防委員長は失敗したな。夢の島は我らがいただくことになったな。果報は寝て待てってヤツだな。」
「そこの生意気そうなハゲ。あんたいったい誰よ?」
「いきなりハゲ呼ばわりとはご挨拶だな。いかにもダメそうな天使が言いそうなこった。俺は魔界革新党の幹部議員だ。穏健派の魔族保守党が、天界との条約交渉を有利に進めるために、ここを取ろうしたという考えは同じだ。悪魔の思考は所詮同じだからな。天界への宣戦布告と講和を同時に進めたので、ここは魔界革新党がいただいた。紛糾して閉会していた議会も穏健派の一部を取り込んで収めたので、新与党として交渉窓口になったからな。ワハハハ。」
「魔界の政治情勢なって全然知らないし、興味なんかないわよ。」
「これは参ったな。天使っていうのは大抵憎らしいぐらい知的なものだが、コイツは少々違ってるな。劣等生決定だな。」
「いちいち的外れなことを言われて気分が悪いわ。」
「的を得てるからこそ、気分が悪いんじゃないねえのか。そこに倒れている天使の時間質量は切れたようだな。悪魔の時間質量消費は少ないがゼロではない。時間質量を魔法で薄く広げて使っているだけたからな。だから時間質量消費の大きい到級は使えない、いや使わないだけなんだが。こいつらは、通常の時間質量使用とは違う形で使ってしまったようだ。悪魔に幸運の女神が微笑むとは、とんだサプリメントだな。」
「それを言うならサプライズだわ。」
「うるさいわ。穏健派に先を越されたと思ったら、弱った悪魔たちを見つけた。しかも天使のオプション付き。これが幸運その1と2だ。幸運その3は、委員長がいなくなれば穏健派は次世代リーダーと求心力を失い、勢力が衰えることだろうよ。そして幸運その4は、今残っているのは超絶ダメ天使だけということだ。ラスト5番目の幸運はその後のお楽しみだ。デヘヘ。」
「誰が超絶ダメ天使ですって!世の中には、言って悪いことと、悪いことがあるのよ。」
「咲良様。それじゃあ、悪いことしかないよ。」
「アタシにとって、こんなハゲ悪魔の言葉なんか、全部丸ごと悪よ!それとあと2つの幸運って何よ?」
「超絶ダメ天使は時間をゆっくり使うということを知らぬのだな。いうとおり教育の歪みだな。」
「それを言うならゆとり教育よ!でもアタシにはゆとり教育が早過ぎて、先生がついて来れなかったわ。」




