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【第三章】第十三部分

しゃがみ込んでいた実亜里は立ち上がっていた。怒りに任せて地団駄を踏んでいる。

「お兄ちゃんに気持ちがないなんて言うのはどの口だ。お兄ちゃんのことを全然わかっていないんだよ。足が遅いフリをしていた運動会。お兄ちゃんは応援してくれた。お兄ちゃん、騙されてるんだよ。でもドジなお兄ちゃんは応援席で必死に身を乗り出して、大声を上げて倒れていたけど。でも気持ちは嬉しかった。本気を出せば、徒競走とか一等しか取れないのをワザとそうしないのは、けっこうストレスが溜まっていたよ。そんな優しいお兄ちゃんのことを悪く言うのは、妹としてぜったいに許さないよ!ぐおおお~!」

実亜里は4人防御魔法による拘束を力技で解いた。

「やっとお兄ちゃんとまともに話せるようになったのに。これまでどれだけ我慢してきたことか。クソ暑い肉襦袢を脱いで、いや破ってお兄ちゃんにハグしたいのをずっと抑えてきたんだからね。それがどれほど辛かったことか。みあがどれだけ、お兄ちゃんに素顔を見せて、抱きしめて欲しかったか、わかる?わからないよ。それはみあにしかわからないことなんだから!わあああ~。」

実亜里も大粒の涙で顔を歪めるしかなかった。


委員長の言葉を聞いて、販売員の顔色と口調が変わった。

「そうだわ。販売員、いやこの姉が、かあさまを殺したんだわ。だからこうして罪の償いをしてるのよ!議員でもコンビニでも罪は償いできないわ。いくら償いをしても、かあさまは生き返ることはないから。罪は永遠なのよ。だから、この姉は生涯、罪にまみれるのよ。議員は選挙民に縛られる仕事。コンビニは消費者に縛られる仕事。どこまで行っても誰かに縛られる。それがこの姉の人生なんだわ!ううう。」

「お姉様。ご自分をとことん責めなさい、気が狂うまでに。それでもお姉様は救われませんわ。一度犯した罪はどこまでも罪。そして母様は死んでからもお姉様を恨んでいます。それをワタクシが受け継いでいますの。ワタクシには母様から優しくしてもらった思い出ではなく、恨みだけが残っているのです。こんなに辛いことはありません。人生の道標みちしるべは、ワタクシは恨み、お姉様は罪。こんな悲しく辛い姉妹にしてしまったのは、お姉様なのですわ。わあああ。」

委員長も端正で美しい顔を崩壊させて、涙でずぶ濡れとなってしまった。

 三人が同時にその場で泣き崩れた。

『シューッ。』

大きな音がして、三人の体から何かが抜け落ちた感覚があった。

三人は戦う前に気を失って、その場に倒れてしまった。そして委員長の姿はいずこかへ消え去った。


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