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【第三章】第十二部分

「クラスメイトは喋りませんからワタクシが代わりに解説しますわ。彼女たちが使っている魔法はご存知の通り、水、火、土、風です。水で輪を作り、土を混ぜて固めて、火で焼いて、風で覆い尽くしたといことですわ。風で回転させることで、手で触ることができない仕組みにしておりますわ。完璧な拘束です。」

 委員長はグロッキーな実亜里を超えて、和人を指差した・

「時間質量以外は何の取り柄もない人間ですわ。妹のことを助けるなんてできませんわ。きっと妹に対して何の感情もないのですわね。」


 翁能面と入場券販売員のバトルを見て、実亜里との話をやめた委員長。

 今度は表情を厳しくして入場券販売員を睨み付けている。

「アナタはこのワタクシがぜったいに許しませんわ。お姉様!」

「入場券販売員が委員長のお姉さん?」

和人と咲良が目を白黒させている。

「あら、お姉様はアナタ方に身の上話をしてないようですわね。こんな大事なことを隠匿しているとは、さすがに性根が腐っていますわ。仕方ありませんわ。それではワタクシからお話して差し上げましょう。お姉様は竜の呪いにかかっているのです。ワタクシたちの母親は、自分の子供が竜を食う夢を見て子供を生んだのです。そして生まれた女の子には、首のない竜のあざがありました。食われた竜の呪いと言われ、竜食い女と呼ばれたのです。それがワタクシの姉です。父親は『どうして産んだんだ?捨てれば良かったのに!』と母親を非難しました。母親は『でも私の娘なのよ。あなたが何と言おうと私は育てるわ。』と譲らず、ケンカとなりました。それでとりあえず育てることになりました。そして翌年妹が生まれました。それがワタクシです。今度は父親が妹を溺愛しました。その偏った愛に、母親が反発し、両親はますますケンカが絶えなくなり、ついに離婚してしまいました。姉は母親に引き取られました。それまで働いたことのなかった母親は仕事がうまく行かず、貧しくなり、やがて母親は酒浸りとなりました。元々体の弱かった母親は病気となり、それでもアルコールをやませんでした。おそらくアルコール依存症だったのでしょう。そのままついに帰らぬ人となりました。実に理不尽な人生でした。同居していた小学生の姉は、経済的に破綻し、学校に行けず、働くしかありませんでした。しかし、そんな小学生にまともに働ける場所などありません。結局、こんな辺境にしか仕事がありませんでした。人間界との門番とそばのコンビニで働くこととなりました。ワタクシはお母様を姉に殺されたと思っています。お母様の愛だけでなく、命まで奪った姉を許しませんわ。でもお姉様を倒してもお母様は帰ってきませんわ!」

 委員長はいつしか涙目になって、訴えかけるようにこぶしを握りしめていた。


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