【第三章】第十一部分
一方、実亜里に対しては、お多福笑い能面の4人同時攻撃が続いていた。
「3回目を受けて何も変わらないのによくやるよ。ちょっと、かゆいんだけど。」
お多福笑い能面たちはお面を被っててもわかるような無表情で、淡々と呪文を唱えている。
4回目の攻撃を受けた実亜里。
「あれ?今のは少し痛かったかな。威力とか、まったく一緒だけど。」
「じゃあ、さっきの攻撃防御チェンジローテーションからだと、次はみあだね。あれ?魔法が出ないよ。時間質量はまだたっぷり残ってるのに。おかしいなあ。昨日野宿して、お兄ちゃんとチョメチョメできなかったからかな?」
「いつもボクとやってるような言い方をするな!」
「お兄ちゃん、ゴメン。チョメチョメはたまにだった。チョメは毎日だけど。」
「ヤマナシケン。チョメチョメとかチョメとか、いったい何のこと?ゴゴゴ。」
「実亜里!誤解を招き過ぎるぞ!特に咲良様に!」
そこに5回目の攻撃。やはり威力や攻撃方法はこれまでと変わりない。
「うわああ。」
頭から血を流す実亜里。
すでに6回目の呪文を唱えているお多福笑い面たち。
「強くない攻撃でも繰り返しいれば少しずつダメージが出てきたということかな。」
頭から出血しながら喋っている実亜里に対して、8人がずいずいとやってきた。
「人数を増やしても4人は防御専門だよね。烏合の衆だよ。」
体は疲れている実亜里だったが、口はまだ元気だった。
歩いていた8人は一斉に動きを止めて、まったく同時に呪文を唱えた。
「これも防御は楽勝だよ。どうせ4人の攻撃なんだから、大したことないよね。防御魔法を使おうかな。」
呪文を唱えようとした実亜里は、アッパーカットを食らったボクサーのように、仰向けに倒れた。
相手のお多福能面は、すべて笑いに変わっていた。つまり、防御専門の悲しみ能面の4人も笑いになっていたのである。
「これが八極拳ですわ。」
少し離れたところにいた委員長はひとこと言ったあと、さらに続ける。
「さあ、防御の4人は元のシフトにお戻りなさい。そして次はこうですわ。」
4人が同時に呪文を唱えた。
実亜里が気づいた時は、すでに茶色いリングが腰の上あたりに巻かれていた。リングはぐるぐると回っている。
「これは何の合体魔法なんだよ?」




