【第三章】第七部分
「すごい!」
実亜里たちの後方10メートルあたりに立っていた和人は体を伸ばして、飛んでいく女子たちを見ていた。正確にはスカートの中身をである。白黒黄色、花柄、キャラモノなど、実にバラエティーに富んでいた。
「ヤマナシケン、見ちゃダメ!」
「うわあ!目が痛いよ!」
咲良が和人の眼を覆い隠した。というより、ほぼ目潰しをしていた。
「はあはあはあ。お姉ちゃん、いい仕事したよ。しかし、敵の戦力を半減させたけど、到級5で10秒はきついねえ。もうしばらく魔法を使うのをイヤになりそう。」
実亜里は両手を膝に当てて、ぜえぜえと苦しそうに息をしている。
「よくやってくれましたわ。これぐらいでないと面白くないですわね。では次はこの生徒たちと勉強会をしてくれますか。先ほどの攻撃で飛ばされたりはしなかった生徒たちですわ。ちょっと人数が多いので、教えるのは大変だと思いますわよ。」
「いいよ。人数が何人でも、どうせ烏合の衆だろうから。寄ってたかって来てくればいいよ。」
「その言葉お待ちしておりましたわ。ではみなさん、ご相伴にあずかってくださいな。」
『ザッ、ザッ、ザッ、ザッ』
凸凹な地面を擦る嫌な音を出しながら四人の赤セーラー服が現れた。
『ザッ、ザッ、ザッ、ザッ』
まったく同じ音を出しながら四人の赤セーラー服が現れた。
合計8人。能面をしており、その色は、赤、青、緑、茶の4種類。
同じ色がふたりずつ。同色のふたりは、背中合わせになっている。
ふたり一組が四方に位置取りをした。上空から見れば、正方形にシフトしている。
「あれあれ?あっという間に囲まれちゃったってこと?ふふん。これは楽しみだな。まあ、お兄ちゃんとのデートには全然届かないけどね。」
「デートなんてしたことないよ!する予定もないし!」
和人のツッコミは戦闘開始の騒音でもろくもかき消された。
「相対魔法、術式・風、制限・オン。対象・天使、範囲・全身、時間・10秒、到級4。発動!」
風が渦巻き状に回って、小さな竜巻となった。
「相対魔法、術式・火、制限・オン。対象・天使、範囲・全身、時間・10秒、到級4。発動!」
火が固まって、弓矢の形となった。
「相対魔法、術式・水、制限・オン。対象・天使、範囲・全身、時間・10秒、到級4。発動!」
水が冷えて氷となり、槍の形となった。
「相対魔法、術式・土、制限・オン。対象・天使、範囲・全身、時間・10秒、到級4。発動!」
地面が少し動いて土が塵となって舞いながら集まり、こぶしを作り上げた。
竜巻、弓矢、槍、こぶしはそれぞれ、正方形の真ん中にいる実亜里に襲い掛かった。




