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【第三章】第六部分

「この場を見られただけで、犯罪者となるのですわ。政治とはそういうものですわ。」

「政治のことはさっぱりわからないわ。それにあんたは学級委員長じゃないの?」

「委員長とは、いろいろ兼務ができる都合のいいポジションなのですわ。」

「どうしてこんなところを守ろうとするのよ?ただのゴミ捨て場。人間には何の役にもたたないし、魔界にならこんなところ、いくらでもあるわよね?」。

「ワタクシを倒したら教えて差し上げましょう。ということで、手続きを開始しますわ。みなさん、出てきてくださいな。」

 能面を被った赤いセーラー服の女子たち、約30名が出てきた。全員が手に武具などは手にしていない。

「武器を持っていないということは、こいつら魔法使いと考えるのが妥当だわね。」

「珍しくお姉ちゃんの意見が正解だよ。でも、この人数だよ。」

「わかってるわよ。戦争ということならば、担当は天界から呼ぶしかないわね。」

 咲良は携帯電話を取り出した。

「はい。こちら天界百当番です。咲良=カエル様、個人ID番号を確認しました。架電者は本人と認識いたします。どのような要件でしょうか。」

 音声に色がない。自動応答らしい。

「もしもし。今魔界のクソ委員長から攻撃を受ける寸前なんだけど、軍事行動だから、国防軍か警察の仕事なんだけど、出動してくれるわよね。」

「国家として、ただいま宣戦布告を受けておりません。宣戦布告を受けていないものはテロリスト扱いです。実際天界の監視カメラで観察しておりますが、規模も小さく、政府が乗り出すレベルではありません。」

「はあ?じゃあ、アタシたちはいったいどうすればいいのよ?」

「現在の咲良=カエル様の評点レベルでは、自分で解決する必要があります。つまり、テスト中の、そのエリアにいる天使が警察権を行使することになっています。咲良=カエル様の電話はイタ電扱いとなりますので、受付を終了します。ガチャ。」

 一方的に電話を切られた咲良。人間界でも役所へかける電話は、このような扱いをされることが多いことは残念であり、税金返還を要求したくなる原因である。

「どうして、こんなことになるのよ。自分でやれなんて、聞いてないわよ。これってひど過ぎない?」

「お姉ちゃんが知らないだけだよ。劣等生という折れた看板は、修理されずに捨てられてしまうんだよ。だからここは戦うしかないよ。」

「相手の人数を見てよ。多勢に無勢じゃない。」

「ここは戦うしかないよ。となると、入場券販売員はどうするんだよ。」

 実亜里は少し後ろに立っている入場券販売員の方に視線を送った。

「本来、魔界は天界と敵対してるですよ。でも魔族保守党が相手なら別ですよ。敵の敵は味方という理屈ですよ。」

 入場券販売員は笑みを浮かべながら、まっすぐな目で実亜里を見返した。

「そう。それならよかったね。枯れ木も山の賑わいだね。」

「言ってくれるですよ。枯れ木かどうかは使ってみないとわからないですよ。」

「こうなったらひとりでも味方がいる方が助かるわ。」

「ザコばかりなら大したことないよ。お姉ちゃんは魔力を使わずに、お兄ちゃんのオモリをしておいてね。」

「わかったわよ。でも真打ちはトリを取るのよ。」

「はいはい。じゃあ、そういうことで、大掃除するよ。相対魔法、術式・風、制限・オン。対象・ザコ悪魔、範囲・100㎥、時間・10秒、到級5。発動!」

 突如、台風並みの風が夢の島に吹き荒れた。

「「「「「「「「「「「「「「「きゃあああああ!」」」」」」」」」」」」」」」

 赤いセーラー服のうち、半分ぐらいが大きく舞い上がって、遠くへ飛ばされた。スカートが大きくめくれていた。


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