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【第三章】第五部分

「実亜里。空気が読めるようになったんだ。えらいなあ。」

「ヤマナシケン。どこまでも能天気だわね。その軽さを自動車に応用したら、どれだけ燃費があがるかだわ。一気に地球温暖化問題が解決してしまうわ。」

 三人の会話をよそに、入場券販売員の視線は、少し先の見えないモノにロックオンされていた。

 強い風が吹いて、視界が開けてきた。

「これはこれは、魔族保守党、穏健派の国防委員長さんではありませんかですよ。」

「委員長!どうしてこんなところにいるんですか。」

 赤いセーラー服の短いスカートが風に靡いている。

「木賀世さん。あなたを探していたのですわ。天使が一緒にいるのはわかるとしても、ふたりというのは意外です。しかし、それよりも魔界革新党、武闘派の新人議員がくっついているのはさらにサプライズですわ。いやこの前の選挙で落選されたから、元新人議員というのが正しい肩書かしら。オーホホホッ。」

「ぐッ。落選した時から次回選挙に向けて、捲土重来を目指してこんなところでバイトしてるんですよ。悔しさを百倍にして、返してやるですよ!」

「入場券販売員は落選してたんだ。ちょっとびっくりだよ。」

 和人はあきれ顔で入場券販売員を見ている。

「べ、別に隠していたんじゃありませんですよ。言う機会がなかっただけですよ。それに議会復帰のロードマップは完成しているですよ。」

「じゃあ、その地図、見せてよ。」

「こ、ここにはないですよ。コ、コンビニのロッカーに忘れてきたですよ。」

「コンビニ?ショッピングモールと言わないところも怪しいな。」

「もうイジメないでくださいですよ!」

「そんなに騒ぐ余裕がありまして?木賀世さんは自分の身の安全を考える方が先ではありませんの?」

「お兄ちゃんは、みあが守るからね。委員長は納豆より粘っこいねえ。こんなところにまで来るとは、ストーカー道を極めているね。警戒しないといけないね。」

「あれはヤマナシケンの心が動く相手だわね。リコーダーの眼から見ていた時よりも大きく見えるけど、アタシには圧倒的に魅力が落ちるわね。た、大したことないわね。フン。」

 実亜里に比べて、咲良は少々動揺しているようである。特に胸では白旗を上げざるを得ない。

「理由は言えませんが、この夢の島は魔族保守党が占領させて頂きますわ。」

「あれ?お兄ちゃんを奪いに来たんじゃないの。」

「そうではありませんわ。ワタクシたちの方がここに先にやってきて、領土とする国境刻印を掘ろうとしていたところに、あなた方がやって来られただけです。これから行うことは妨害者を排除する手続きですわ。」

「別にアタシたちは何もしてないじゃない。」


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