【第二章】第十五部分
「時間質量って、勉強したり、頑張ったりしたら減るって聞いてるけど。」
「そうじゃが、日常以上の感情を抱くことは禁物じゃ。そういうわけで、時間質量を広げるのに、ゆっくりできない。しかし、逆にそれを一気にやると副作用がある。これは体の中で核爆発を起こすようなものじゃ。それを覚悟の上でやるしか方法がない。善は急げじゃ。すに取り組むぞい。」
「お兄ちゃんを助ける方法がそれしかないなら、副作用なんてどんとこいだよ。さあ、どうすればいいのか教えてよ。」
「よし。まずは水魔法じゃ。タダの人間の中の時間質量を水で柔らかくするじゃ。」
「わかったですよ。これはカンタンですよ。相対魔法、術式・水、制限・オン。対象・タダの人間の時間質量、範囲・タダの人間の体内、時間・1秒、到級3。発動!」
和人の体内で、何かが動いた感覚があった。
「うまくできたようじゃ。次はタダの人間に空気魔法を使うんじゃ。目的は体内ガードじゃ。」
「お兄ちゃんの体内ガードだね。部屋よりも狭いから超簡単だよ。」
実亜里の魔法で和人の体内に空気ガードができた。
「どうしてボクの体内をガードするの?」
「これからそなたの体内に爆弾を仕掛けるためじゃ。」
「えええ?そんなヒドいことを!?それじゃあ、死ぬということと同じじゃない?」
「あるいはそうかも知れぬ。じゃが、それぐらいのリスクを負わないと、そなたを元に戻すことはできないのじゃ。この方法を取らなければそのうち、消滅するんじゃから同じじゃ。」
「そ、そんな~!前門の虎、後門の狼だよ!」
「うむ。四面楚歌とも言うな。」
「ひとごとだと思って!」
「まさにヒトの事なのじゃ。人間のことなぞ、天界魔界にとっては管理対象に過ぎぬからな。」
「そんな扱いなんだ、人間って。」
「そうじゃ。所詮、時間質量供給源じゃからのう。それでは次がいちばん大事じゃ。火の魔法の到級4。緩い爆発じゃ。」
「アタシの超得意な強い爆発じゃないの?」
「『特異』の間違いじゃろ。知ってるとは思うが、到級が上がれば爆発力が強くなるというものでもない。むしろ、弱くするという調節機能をオペレートする方がより難しい。じゃから到級がひとつ上というワケじゃ。」
「そ、そんなこと、わかってるわよ。でも到級4とか、足を踏み入れたことのない、てゆうか、踏んだら常に地雷状態なんだけど。」
「咲良様、そのフレーズ自体が地雷だよ!」
「いいじゃないの。不発弾もたまにはあるかもしれないし。ないとは思うけど。」
「絶望だよ~!」




