【第二章】第十三部分
「お楽しみの前に解説しておこう。まずは女の中に、種付けして、それに水魔法で体を与えた。それを空気魔法で人間大まで膨張させたのじゃ。そのままではタダの木偶人形である。そこに、火属性の爆発魔法、つまりビッグバンを発生させて、命を宿らせたのじゃ。」
「なんだか、よくわからないけど、とにかくスゴイことなんだね。みんなが力を合わせてやったというのはよかったね。」
「喜ぶよりもこれからの仕上げのことを考えるんじゃな。これでタダの人間クローンの完成じゃ。でも消費期限がすごく短いぞい。早く妾の目の前でやってくれ。」
「やるって言ったって、これってボクだよね。そもそも男性相手というだけでも抵抗感が強いのに、ボク自身と、だなんて。」
「細かいことを気にするでない。クローンと言ってもお前たちの魔法でできるレベルは知れておる。生きていると言っても意思も感情もない存在じゃ。構わずやってしまえ。」
「で、でも、ボクには・・・。」
「お兄ちゃん(小蛇)がヘタレるなら、みあがやっちゃうよ。未来のお兄ちゃんがイケメンでよかった。これで安心して未来妄想できるよ。じゅる。」
実亜里の口の中はすでに唾液満タン。
「少々お待ちくださいですよ。タダの人間には興味ありませんですよ。でもタダでないイケメンクローンは消費期限が短くて後腐れなさげですよ。イケメンに関しては販売員は好物ですよ。ですから、販売員がいただきますですよ。たら~り。」
こちらもだらしなく開いた口元から濃厚な唾液ジュースが顔をのぞかせている。
実亜里と入場券販売員のメス顔を見て、ビミョーに沈黙していた咲良がしゃしゃり出てきた。
「ちょっと待ちなさいよ。ヤマナシケンクローンはアタシがお腹を痛めた子供、じゃなくて物体よ。アタシから生まれてきたようなものじゃない。」
「お姉ちゃん。その父親はお兄ちゃんなんだけど、それって、明確な母親宣言ってこと?まさかとは思うけど、お兄ちゃんをロックオン?」
「ち、違うわよ。第一、こともあろうにアタシをターゲッティングしたのはヤマナシケンよ!」
「そう言えば、お婆ちゃんが言ってた、お兄ちゃんがイメージした女子って、お姉ちゃんってことになるの?」
「ここまでの流れでは、そうなるのう。じゃが安心せい。イメージした女子からクローンが生まれるとは限らん。魔法の発現先はどこになるのかはわからん。タダの人間がイメージしたのは超絶魅力的な妾だという可能性もある。いやそれが正解に最も近いじゃろう。なあ、タダの人間。」
「い、いや、そ、それはどうかな?ははは。」
笑ってゴマかす和人ではあったが、正解は藪の中。
「ほれ。時間がないぞ。早くやってしまえ、タダの人間。」
「う、う。で、でも。」
「ならばみあが。」
「いや販売員が。」
「やりたくないけど、仕方ないからアタシがやってあげるわ。」
三人は一向に譲る気配を見せない。
「「「じれったい!!!」」」
3人が同時にイケメンクローンに飛びかかった!




