【第二章】第十部分
「この方が件のお婆ちゃんですよ。」
おジャ魔腐女どれみは、鍔の小さい黄色い帽子を被り、みつあみの銀髪を二本のぞかせている。120センチに満たない体を薄いブルーの園児服で覆っている。
首には白い涎掛けを下げているが、すでにシミがかなりついている。銀色の目はパッチリとしており、幼児にしては長い睫毛が女の子らしさを演出している。白桃を思わせる肌にいい感じのほっぺと小さな唇がマッチしている。
「この子がお婆ちゃん?どうみてもタダの幼女だよね!?」
「どこがタダの幼女じゃ!このまっすぐなくびれ、山脈の裾野ようにフラットなバスト、プリプリな青いお尻をよく見てみい!」
園児服のスカート部分をめくって、クマさんパンツを見せたおジャ魔腐女どれみ。
「うわああ~!、とはならないよ。ボクはロリコンじゃないので。」
「ロリコンなんか、リサイクル不能なタダのゴミじゃ!お前がロリコンでなくてよかったわ。」
「もしかしたら、おジャ魔腐女どれみさんがボクを助けてくれたの?」
「そうですよ。やっと会話がそこにたどり着きましたですよ。販売員の防御魔法では、あの高さからの落下でふたりの命を守ることなど、到底ムリでしたですよ。このお婆ちゃんが助けてくれたというか、竹馬の竹に引っかかったというかですよ。」
「たまたま助かったってワケだね。」
「妾に感謝するがよい。」
「おジャ魔腐女どれみさんが目的の人ならこの体を治すことができるのですか?」
「できるかもしれぬな。そなたの体は気絶してる間に、隅から隅までチェックしたからな。」
「その言い方、まさか、アレも?」
「そうじゃな。見事な小蛇だったわ。」
「うわ~ん。もうお婿さんに行けないよ~!」
「大丈夫だよ。お兄ちゃんは、みあのところにムコ入りするんだから安心だよ。」
「実亜里!大丈夫だったんだ!」
「アタシもいるわよ。大丈夫って、落ちたのはヤマナシケンたちだけよ。」
「そうだよ。広域風魔法で探すのは苦労したよ。お兄ちゃんが大蛇じゃなく、小蛇だから。」
「小蛇で悪かったな。そのうち、大蛇になったら吠え面かくなよ。」
「それって、お兄ちゃんが大蛇になった小蛇を、みあに見せつけるってこと?お兄ちゃん、超絶ダイタン!あ~。」
実亜里はあまりのショックに気絶しそうになった。
「うるさいヤツが黙っているうちに本題じゃな。タダの人間は、そのまま放置しておくと、やがて、全身が半透明から完全に透明に変わってしまうじゃろう。完全なる透明という意味がわかるかのう?」
「完全なる透明?ま、まさか、ボクの体がまったくなくなってしまう、つまり消滅してしまうっていうこと?」
「ちょっと待ってよ。お兄ちゃんの体がなくなるってことは、小蛇が無くなってしまうって、ことだよね。そんなことが起こったら、みあはいったいどうやって生きていけばいいんだよ?」
「実亜里。小蛇より体が先だろ。」




