表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/71

【第二章】第九部分

「雲の下に山があっていうのは不思議な光景だね。」

 お姫様抱っこしたまま、猛烈な風を受けて、入場券販売員のおかっぱ髪は、米国星条旗のような模様になっている。

 目の前に大きな山が見えてきた。

「そろそろ目的の山が近づいてきたですよ。でもこの辺りは高い山がたくさんあるです。隆起でできた山岳地帯ですから、どれが腐士山なのか、販売員も知らないですよ。」

「それじゃ、魔界の番人さんを見つける前に山を探さないと。」

「魔法で飛びながら探すのは、魔力と体力を著しく消耗するですよ。このまま、重力に引っ張られると、スゴく不思議な現象が体験できるですよ。」

「そんな体験要らないよ!ボクをゼッタイ落とさないでよね。」

「ならば、よ~く捕まってくださいですよ。」

「言われなくてもそうするしかないよ。」

「あは~ん。そんなことしちゃダメですよ!」

 和人が入場券販売員のおっぱいに顔を埋めこんでしまった。

「でもしがみついてないと、落ちそうだよ!」

 さらに強風の影響で顔を左右に揺さぶって、おっぱいを過度に刺激してしまった。

「気持ちよすぎて、もうガマンできないですよ。本当に重力のお世話になりますですよ~!」

「うわああああ。」

 入場券販売員の魔力が失われて、ふたりは転落してしまった。

「ヤマナシケン!」「お兄ちゃん!」

 落ちていく和人に手を伸ばそうとした咲良だったが、まったく届くはずもない距離だった。


 時間はすでに夜になっていた。山の夜は星の光が近くて意外に明るい。

「いたたた。腰をひどく打ったようだよ。あれ?ボク、生きてる?あんな高いところから落ちたのに。」

「やっと気づいたですかですよ。生きててよかったですよ。」

「入場券販売員さん。あんな高いところから落ちて助かったんだ。てか、落ちる前に気絶していたので、何も覚えてないけど。」

「あの高さからでは、販売員の風魔法のガードでは、とても防御しきれなかったですよ。でもこうして助かったのは、このお婆ちゃんのおかげですよ。」

「お婆ちゃん?どこにも人はいないよ。」

今は月に雲がかかってしまい、少々暗い。

額に手を当ててキョロキョロする和人。やはり和人の視界にはヒトらしき姿は映らない。「どこを見ておるんじゃ。こっちじゃ。」

少女のような甲高い声。耳にキンキン来る。

「声は聞こえるよ。でもどこにいるんだよ。」

「妾の背が高過ぎてそなたのサバ目に写ってないだけじゃ。よく上を見るんじゃ。」

「ここでもサバ目認定!?」

雲が月から離れて視界が開けてきた。同時に和人は声のする方へ顔を上げた。

「女の子が宙に浮いてる!」

「タダの人間。その方は浮いてるのではないですよ。二本の足が見えるですよ。」

「ん?これって足というよりは棒のような?節もあるし。竹っぽいよ。」

「当たり前じゃ。それは竹馬の足なんじゃからな。妾は竹馬に乗る、大いなる邪悪魔女・腐門麗美ふかど れいみじゃ。略しておジャ魔腐女どれみじゃ。」

「略しても長いよ!それに魔腐女ってスゴく怪しいんだけど。」

「ここは腐士山じゃ。それを付けただけじゃ。」

「じゃあ、この竹馬に貼られた直球BL画像は何?」

切れ長目のイケメン同士ががキス、あるいはそれ以上・異常なポーズ(主として抱き合い)をしている写真が竹馬の下から上まで貼られている。

「これは、百パー腐ってるよ!」

「魔腐女のどこが悪いんじゃ!とおーっ!」

ついに竹馬から降りてきたおジャ魔腐女どれみ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ