表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/71

【第二章】第四部分

「どこまで歩くのよ。」

「ショッピングモールまでですよ。」

「こんなところにそんなシャレたものがありそうには、とても見えないわよ。」

「そんなことありませんですよ。魔界だって、悪魔が住んでるんですからですよ。人間界と同じく、商業施設はあるですよ。」

門から1時間ぐらい歩いた地点に来た時。

「ほら、あそこをご覧くださいですよ。ちゃんとショッピングモールが存在してますですよ。」

入場券販売員が指したところには、陸屋根、平屋建ての白く小さな建築物があった。

『イレブン・セブン』という看板が見えた。

「何よ、あれって、ただのコンビニじゃないの。しかも営業時間が短いわ。」

「コンビニなんかじゃありませんですよ。昼の11時から夜の7時まで営業している超立派なショッピングモールです。食材から日用品、薬品、アルコールまで売ってるですよ。まさにショッピングモールそのものですよ。今日は掃除がまだだったので、今からやるですよ。相対魔法、術式・水、制限・オン。対象・ショッピングモール、範囲・全1棟、時間・30秒、到級1。発動!」

 入場券販売員の手から水が強く噴き出し、彼女はホースのように操って、みるみるうちに建物を洗浄した。

「すごいね。これが魔法の正しい使い方なのかな?」

 和人は感心しながら見とれていた。

「何よ。あんなの邪道じゃないの。」

咲良が不機嫌そうに、コンビニ入口に立った。

「あれ?ドアが動かないわ。故障かしら?」

「この世界には自動ドアなんてありませんですよ。電気代がもったいないですし、何より地球環境に大きなマイナスですよ。」

「はあ?ずいぶん貧乏な発想だわ。やっぱり悪魔って、下層階級なのね。」

 咲良の言葉を聞いて、入場券販売員はちょっとムッとしていた。

4人は店内に入っていき、置いてある商品を眺めている。

「カップめんとか、お菓子とかあるわね。人間界なコンビニと商品は同じようだわ。」

咲良はカップめんを乱暴に手に取り、印刷された部分をよく見ている。

「この賞味期限の表示、手書きになってるわ。日付をマジックで書き換えてるわよ。」

咲良がパッケージをこすると、十年前の日付がコンニチワしてきた。

「賞味期限が切れたって、十分食べられるですよ!さっきから、古いものをバカにしてるですよ。ここには、新品はひとつもないですよ。でも生活には全然支障ないですよ。」

「ホント、あきれるぐらい貧乏なやり方だわ。今は飽食の時代なのよ。少しでも消費を高めて、物価上昇させないと、デフレ脱却できないのよ。どんどん要らないものは捨てていかないと。時代の流れに逆行してるわ。」

「いかにも豊か過ぎる天界の発想ですよ。もう許さないですよ!もったいないを愚弄する天界にはこうするですよ。普段は掃除に使っている能力を攻撃に使うですよ。相対魔法、術式・水、制限・オン。対象・無駄天使、範囲・全身、時間・1分、到級2。発動!」

水が竜のような形となり、咲良を捕まえた。

「店内にいる不審者は追い出すですよ。」

水の竜は前足でドアを軽く開けて、思いっきり咲良を投げ出した。咲良は地面に強烈に打ち付けられて、頭から出血した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ