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【第一章】第十八部分

純白の羽根、ほとんどない胸。白い羽衣、金髪ツインテの咲良が颯爽と登場した。

「やっと出られたわ。妹のお世話になるなんて、すごくいやだったんだけど。ヤマナシケン、待たせ過ぎだわ。」

「咲良様!会いたかった。」

 咲良に抱き着こうとしたら、避けられた。

「ヤマナシケン。頭を冷やして、今の状況を整理整頓しなさいよ。」

「そ、そうだね。実亜里、ボクにウソをついていたのか?」

「部屋には置いていなかったのは事実だよ。ずっと、お姉ちゃんをずっと連れていたんだけどね。だから、お兄ちゃんの行動や気持ちを全部理解してもらったんだから、感謝してよ。敵に塩を送るとはこのことだよ。」

「敵?誰のことだ?」

「そんなこともわからないで、よくもみあのお兄ちゃんをやってるよね。それは置いておくとして、お兄ちゃん、その体のことを心配するのが第一順位だよ。」

「そうだわ。ヤマナシケンはさっき、こともあろうに、発情して、アタシにむしゃぶりついてきたけど、空振りしたわよね。」

「そ、そうだけど。いきなりでごめんなさい。」

 謝罪の言葉になぜか、赤面する咲良。

「た、たしかに、ヤマナシケンが野獣化するのは、困りモノなんだけど、あ、あれはご主人様としては、親愛の情を受け入れる義務が少しはあったっていうか、喜んでくる犬を放置できないっていうか。」

「もうお姉ちゃんもダメダメだね。ここは両者の妹として、・・・。『みあは二人の妹ということは、お兄ちゃんとお姉ちゃんの関係はどうなる?』というお兄ちゃんの疑問は排除前提で話をすると、お兄ちゃん。自分の体をよく見てよ。」

「体?別になんともないことはないけど、さっき唇部分は半透明になったとは思うけど。それか前に術獣に食われた左腕もだけど。」

 和人は全身を見回した。

「ほらね。」

「全身のほとんどが半透明!それも限りなく透明に近い半透明になってる!」

「そうなるのが当然ですわ。人間が悪魔に戦いを挑んできたんですから、その代金はきちんと現金払いしてもらっていますわ。」

「委員長、それはいったいどういうこと?」

「気付かなかったでしょうけど、ここのクラスメイトはすべて悪魔ですわ。」

「えええ?そんなことがあるの?」

「お兄ちゃん。そうだよ。それを知らなかったのはお兄ちゃんだけだよ。この前、名詩魅ちゃんがせっかく大きなヒントをくれていたのに、お兄ちゃんの大脳新皮質は応用力へのシナプスが全然繋がっていないんだから。」

 クラスメイト集団のモブに埋没していた名詩魅が、悲し気に和人に視線を送った。

「ワタクシたち悪魔への直接攻撃、さっきのは口撃というべきかもしれませんが、それを受けて黙って受忍するほど、優しくはありません。木賀世さんの口撃の代償として、その体、正確には『時間質量』をいただきましたわ。」

「時間質量?なんだ、それは?」

「人間が人生を生きてきた足跡を生命エネルギーに変換したものです。生まれてきた時には100%の重量がありますわ。それを努力、勉強、過激な運動などで少しずつ消費していくのです。従って、人間は自分の人生をよくしようとして、頑張れば頑張るほど、時間質量は減少していくのですわ。」

「それが悪魔に何の関係があるの?」

「悪魔だけではありません。天使にも大いに関係がある、いやむしろ天使の方に大きく関係しますわ。」

「なんだか、さっぱりわからないんだけど。」

「時間質量とは天使の魔法力の源泉となっているのですわ。悪魔も利用はしていますが、悪魔は過去の天界からの仕打ちで、時間質量はあまり必要とはしていませんわ。」


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