~水底~
お試しテスト投稿作品。
――ゴポッ
暗く静寂が支配する水底から見上げる水面の光は、私の所まで届かない。
このまま沈んで解けてしまいたい‥
そうすれば煩わしさも、憎しみも哀しみも――‥
もぅ嫌だ…
振り回され利用されるそんな世界など――
私はいらない。
生を受けて以来流されるまま、生きてきた私
そんな私に色鮮やかな世界を見せてくれた貴方に、いつしか心奪われていたの。
でも、最近貴方の瞳にはあの子が…私の妹の姿ばかり映る。
――――ねぇ、好きなの?
―――――私は貴方が好きなの。
聞けない。
言えない。
もどかしくて、でも恐くて…手を伸ばしても届かない。
私の瞳の水面に映る貴方の姿が歪むの。
水のせいかしら?涙のせいかしら?
貴方が手を伸ばしているように見えるわ。
―――――ねぇ、愛しい貴方から私はどんな風に見えた?
――ここはとても息苦しいわ。