廻る
テスト前に勢いでかいたお話です。
しょーもないありふれたものです。
あぁ、朝か・・・
今日はアイツと遊びに出かけるんだっけ、
最高な気分で目覚めた時には既に起きる予定の時間より30分 寝過ごしていた。 多分昨日の夜色々準備してたからだろう。
遅刻したらアイツ、怒るかな。
そんな事を考えながら出掛ける準備を始める。
待ち合わせはいつもの駅前、時間はいつも通り午後1時、そんないつもの事がとても俺の朝を綺麗に彩っていた。
1歩家の外に踏み出すと俺の浮き足だった心を急かすように冷たい風が頬を撫でる。
駅までは自転車で行こう。 できるだけ人の多い所を通って。
駅について待ち合わせ場所に行くとアイツはもうそこにいて、俺に向かって笑いかけてくるんだ。
少し微笑みながら俺はアイツに向かって歩いていった。
この時だけはいつも俺が憎く思っている世界も少しは色がついて見えたんだっけ。
まずは映画館へ向かった。いつもそうだったように。
俺がチケットを2枚頼むと受付のオバサンは少し不思議そうな顔を向ける。ついでに塩味とキャラメルのミックスのポップコーンを1つ頼む、いつもそうだったから。
映画はありふれたこの世のどこにも存在しないようなキレイな恋愛を描いた物語だった。
そんな映画には俺はいつも不満気味だけどアイツはいつも、感動のシーンになると何よりも美しい涙を頬に流すので、俺はアイツの美しいさに触れる事が出来る
その時は大好きだった。
映画が終わると少し早い夕食をとるためにファストフード店に向かう。いつもそうだったから
俺はハンバーガーセット一つとチーズバーガーを頼んだ ポテト飲み物はいつも半分こだったから。
食べ終えるとアイツは俺を見る
山にいって星を見よう。
俺はそう言うと自転車に跨る 、この為の自転車である。
自転車に乗って30分も行けば山につく。
そこから15分も歩けば展望台に着くが俺は敢えて山道にそれた秘密の場所へ向かう そこには大きな木があり、それに登ると星空と街が一緒に見えて美しいから。初めてそこへいった日のアイツの喜んだ柔らかい笑顔を思い出す。
そこへ行くと決めて歩き出して20分 やっと木の下に到着して木登りを始める。
登りきると、俺は誰もいない木の上で1人微笑みながらカバンから紐を取り出した。
アイツはもういないんだった。 そう思うとせっかく色づき始めた世界が少し滲んだが もう過ぎたことだ
今からアイツの所へ向かんだから悪いことは一つもないじゃないか。
そう考えて俺は手じかな木の枝に紐を結びつけて
もう一方を俺の首に結びつける。
この場所で大嫌いな街と大好きな星に抱かれ俺はアイツの元へ向かう 悪くないシュチエーションだ。
アイツの写真を握りしめて俺は空へ飛んだ。
あぁ、朝か・・・
読んでくれた人がいたら感謝します。