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求める少年  作者: 夢はニート
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第1話

初めてです。

誰もが一度は考えたことがあるだろう・・・とは、言い切れないが、5人に1人くらいは思い浮かべる。それは、『どうして、自分は生きているのだろう』、と。

まぁ、そんなに奇妙な考えではない。なにせ意味を求める、と言う行動は人間が今までやってきたものだ。言葉にも意味があり、消ゴムにも意味がある。それが一個人に変わっただけ。

つまるところ、俺もそんなことを数年前に考えているのであった。


※※※※※※


ここ、東ヶ丘学園は中高一貫の学校で中々に人気のある学校として有名である。学力は上の上といった感じで、死ぬ気で頑張れば誰もが入れる学校だ。服装や頭髪などは、あまりにも奇抜ではない限り大丈夫。部活動も盛んであり、運動部、文化部、どちらとも中々の成績を残している。

まぁ、すべてがネットのホームページに書かれていた事で、中身はどうだが分からない。どうして、今年の春で高校生になる僕がこの学校を調べているかと言うと、それは、入学するからだ。

なぜ、中高一貫の学校に?・・・と、疑問に持つかもしれないが、それは追々説明するとしよう。

めんどくさがり+人見知りの俺としては入学式って言うのはなんとも言いがたい嫌な行事の一つなのだが、仕方がない、と割り切るしかない。問題なのは自己紹介。あれほど最低最悪のイベントがどこにあろうか。俺の嫌な事、第6位には入るぞ。

結局、どんなにあーだこーだ言っても、どうしようもないのは事実。俺は自分のベットに入り電気を消す。一番の安らぎである、眠りへと身を預けたのだった。まさに夢心地。・・・自己紹介の時、「趣味は寝ることです!」って言うやつ、アホだろう、と思うのは僕だけなのかな。


※※※※※※


目覚まし時計、どうしてあるのかと聞かれれば人を眠りから起こすためにある。そう答える者が多いはずだ。つまり、人とは目覚まし時計を我々の眠りから起こしてくれる物だと許容している。ならば、その目覚まし時計が壊れていた時、遅刻してもしょうがないのじゃないか。だってみんなが頼っている目覚まし時計が、壊れたんですよ。

下らない言い訳を考えながらも何とかして、学校についた訳だが・・・どうしよう、もうクラスにみんながいる。

体育館での入学式が終わり、それぞれが当てはめられたクラスに移動する。そして、この学校の説明ほか、担任の質問コーナ&クラスメイトの自己紹介。そんな時に俺は1-3に入らなければならない。

・・・・・おしっこ漏れそう。


ワイワイ、ガヤガヤ、アハハハ、1-3(俺を抜く)みんなが楽しそうな声を出している。…よし、帰ろう。思い立ったら吉日だ。



「アヒッ!」



帰ろうと思っていた所、背中を不意に叩かれる。

変な悲鳴をあげながらも叩かれた方、つまり後ろを振り向くと、そこには白髪の少女が立っていた。・・・いや、髪だけじゃない、瞳、皮膚ほとんどが白かった。美しい、と素直に思う。あまり、そういう感情を抱かない自分にさえ、ここまで思わせるのだ。それと、どこかで見たことがある。そんな不思議なことさえ思わせる少女は一体・・・?



「あんた一体・・・」



ガラ、ガラ、ガラ、ガラ、


目の前の少女は、俺に気にすることなく1-3の扉を開けた。

・・・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?ちょっとなんなのこの子。バカなの死ぬの?



「おっ、やっと来たか」



俺が呆然としてる中で担任が俺、いや俺達に気がついて声をかける。彼女は臆することなく、社内と呼ばれる教室に堂々と入っていく中、俺はおそるおそる、といった感じで入っていった。



「丁度いい、今みんな自己紹介が終わったところだ。ついでにここで自己紹介してってくれ」



そう言う担任の指示に従いながら、俺と彼女は教卓の前へと並ぶ。これは男の僕からなんでしょうか?・・・いや、でもレディーファーストとか言うじゃないですか?しかも、ほとんど(主に男子)が俺に目線向けてないし。それを踏まえて先生を見るも、お前から、と言う威圧が返ってくるばかり。・・・しょうがない、男見せようじゃねーか。



「・・・どうも、藤原ふじわら れんです。以前は西浦中学校に通ってました。趣味は読書で運動は苦手です。一年間、お願いします。」



ペコリンチョ、と頭を下げる。良かったー、噛まずに言えたー。心の自分に花丸をあげながらゆっくり顔を上げていく。



「じゃあ、次・・・まぁ、言わなくてもみんなは知ってるか。」



はぁ?どういう意味だそれ。そんな、疑問を持ちながらも、横目にしながらも彼女の自己紹介を待つ。



「・・・どうも、上北かみきた あかねです。趣味、と言うより働いています。」



職業?・・・なんなのこの人、もう働いてるの。こんな子にまで早期仕事病が。(早期仕事病・・・蓮が勝手につけた病。早い段階で仕事、と言う病にかかること)って言うかみんな、もうちょっと静かにしろよ。こしょ、こしょ、こしょ、って俺かよ、まったく。



「・・・おい、もしかして」



「・・・やっぱし、そうだよ」



段々とその声が広まっていく。少女、はそんな雑音も気にせず自己紹介を続ける。



「好きな事は歌うことで、それを職にしています。私は・・・歌手です。芸名はRenaレナです」



蓮は自分に呆れていた。どうして、今まで忘れていたのだろう。(それは、ほとんど家に引きこもって、ゲームや読書をしていたからです)・・・まぁ、置いといて。なりより心の一声。・・・芸能人だ。





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