第五十九話
申し訳ありません! 作品を間違えて投稿しておりました!
投稿時、転送が途中で止まってしまったので再投稿をおこなったのですがその作業時、作品を間違えてしまいました。
その後、作品の投稿具合の確認を怠っており読者様の感想で気付いた次第です。
本当に申し訳ありませんでした。
改めて投稿し直しましたのでどうぞお読み下さい。
「待ちなさい! シンジ! いや、G!」
エバ中尉が自然な動作で席を立ちスタスタと部屋の外に出ようとする俺の背中越しに銃口を向ける。 照準は足に向いてるな。 何故判るかって?
愚問だぜ。 俺は軍神だ。 銃口ぐらい見なくても判らなきゃあとうの昔に死んでたね。 一度寿命が尽きて死んだけど。
しかし、Gって俺に当てられたコードネームか何かか? 昔流行った映画に出てくる大怪獣の方じゃなくて台所の隅っこを疾風の如く駆け抜ける黒くて脂ぎった憎いあンちくしょうを連想させるからやめてくれ。
……まあ、それは置いておいて俺はドアノブに手を掛けた状態でエバ中尉に尋ねる。
「さっき其処のジム大佐の話に出てきたけどエバ中尉、あんた神の子を身籠るってどんなに大変か知っての上で承知したのか?」
「いきなり何の話?」
神の子を身籠り無事出産するには適性と力持つ者の補助がいる。 例えば出産の神がそうだな。 もしどちらかがけていた場合、妊婦はその身に宿した子供の神力に当てられ六割近くが死亡、三割強が子供を生めてもその後体に何らかの異常をきたし後遺症に悩まされる人生が待っている。 その上、生まれた子供にも体の何処かに障害があったりする。
無事に子供が生まれるのは一割にも満たない。
適性が欠けている場合はそもそも子を宿さ無い。
ちなみにギリシアのゼウスはあんなだが良く細かい事に気が付く。 出産の時には出産の神を誰にも気づかれないよう派遣している。 勿論、それは実の姉で妻のヘラにバレないようにする為だ。
その事を語って聞かせたら以外な人物が驚いた。 ジム大佐である。 といっても目をわずかばかり見開いたた程度だが――俺にはハッキリと心の動揺が伝わってきた。
「それは本当の事なのか? エバ中尉」
「……はい、専門家の話しを聞く限りはそうらしいです。 実例が無いので詳しい事はその人もわからないそうですが……」
「あの子は――イヴはそれを承知しているのか?」
「はい」
「そうか……」
それ以降ジム大佐は口を噤んでしまった。
そっちの事情は知らないが、俺には無関係だ。 今の処は、だ。
なので俺は片手でドアノブを静かに回して扉を開く。
「!? 待ちなさいと言っているでしょうっ! G!」
「そう言われても俺にはあんた達USAに協力する義理も義務も責任も理由もない。 だから此処からオサラバさせてもらうよ」
「そういう理由には――」
エバ中尉は俺の足に向けていた銃の引き金にかけていた指に力を込める。
直後。
「止めたまえ、エバ中尉」
黙っていたジム大佐が口を開いてエバ中尉を静止する。 どうやら動揺を押さえ込んだみたいだな。
「しかしジム大佐!」
「まだ彼から彼自身の事を聞きだせてはいない」
そう言えば俺の事まだ何も話してなかったな。
「ああ、そうだな。 名乗らないのは礼儀に反するか」
まあ、話して余計な情報を相手に与えるのもどうかと思ったが向こうの情報を態々話してくれたのだし、いずれ俺の正体もばれるだろう。
俺は後ろを振り返り、改めて二人に自己紹介する。
「俺の名はグンディール。 元ペルシアの軍神の生まれ変わりだ。 生まれた国が違うのは俺の意志じゃあないからな。 俺に文句を言わないでくれよ?」
「軍神。 戦いの神か……?」
そう言ってエバ中尉に視線を向ける。 当のエバ中尉は首を傾げている。
「グンディール? ペルシアの軍神? 聞いた事がないですね」
「そりゃあ主神アフラ・マズターが俺の存在を後世に残さないよう記録から抹消したんだ。 あいつ、俺の事嫌ってたし。 俺、アフラ=マズター、その息子のミトラの三人から主神を決める際に周りから主神に祭り上げられそうになった時、俺が面倒臭かったのとペルシアの外の世界を見て回りたかったから度重なるアフラ=マズターの嫌がらせに参ったフリして態と追い出されてやったけどな」
「先ほど神の生まれ変わりと言ったが、神としての力は持っているのか?」
ジム大佐が疑問をぶつけてきた。 当然の質問だな。 突然、『俺は神だ!』と言い出す奴がいたらこいつ頭おかしいんじゃないか?と思うのが普通だ。
ただこいつらも宇宙人や神やら持ち出してきたのだから相当だがな。
もう話すことも無いので俺はこの辺でお暇することにした。
今度こそエバ中尉の制止の言葉も耳を貸さずに。
フリゲート艦内――グンディールが立ち去った後――
「よろしかったっんですか? ジム大佐。 彼――Gを追跡しなくて」
再び何かを考え込んでいるジム大佐にエバ中尉が疑問を呈する。 その疑問に対しジム大佐は顔を少しだけ上げ――
「構わん。 今回は想定外の事態が起こりすぎた。 しかも相手が神――それも軍神ならばとてもではないが我々の手に追える相手ではない。 現状では」
エバ中尉は額を抑えて。
「……確かに。 軍神かどうかは分かりませんが、船から飛び降りて海上を高速で駆けまわり、此方の放った銃弾を嬉々として避けながらあっと言う間に水平線の彼方に消えたのです。 何らかの能力を有しているのは間違いないでしょうが……」
「確認したその瞬間、我々がこの艦諸共海の藻屑になる可能性も否定できん。 今回は彼の情報が手に入った、それで良しとしよう」
ペルー――パチャカマック海岸――
俺が漸く織物の女神カビリャカが息子と一緒に石になった海岸に辿り着いた時、其処には二人を狙う黒い影がルーン魔法を詠唱し、雷を召喚している最中であった。
俺はその影が何者であるかを視認した刹那、ユルン・メトスを召喚しその影に向かって構え――叫ぶ。
「ロキッ! 何でお前が此処に居る!!」
やっとUSA都の遣り取り終わったー! 以外に長くなってしもうた……。
次回、久しぶりの戦闘です。




