第五十七話
すみません。 今回はちょっとだけ更新です。
俺は周囲に気を配り問題が無いか確認した上でコウヤ師匠、ヒジリ兄、ユリと別れる。
「それじゃあ、一週間以内に帰るから父さん、母さんには上手く言っといてくれよな師匠」
ヤコウ師匠は盛大に溜息を吐いた。
「分かり申した。 シンジ様を信じましょうぞ」
師匠は俺にこれ以上何を言っても聞かない事を理解して俺の自由にさせてくれくれるようだ。
「……シンジ様、本当に大丈夫なんだろうな?」
ヒジリ兄が心配して念を押してくる。
まあ、普通はそうだわな。
「ああ、USAが碌でもない事企んでるのは何と無く分かるし、それに対して俺達を巻き込まないようぶっとい釘差して、南米の知り合いの所に寄って行くだけだ。 それに今の俺ならその気に成ればいつでも日本にあっと言う間に帰れるからさ。 そんなに心配しなくていいよ」
「シンジ様……」
心配そうに俺の顔を見つめるユリ。
あっ! そうだ! 一つユリに確認しとこう。
「あのさ、ユリ。 俺の体に発信機埋め込んだのお前だろ?」
「はえっ!? な、な、な、何の事かな? 私、分かんな~い」
俺の顔から目を逸らし明後日の方向に顔を向ける。
やっぱりこいつか……。
「その動揺が自分がやりましたって白状してんだよ!」
俺はユリの左右のほっぺたを思いっきり引っ張る。
「ひ、ひはふぃ! ひはふぃれふ! ふぃんひはま~!!」
「いいか! 帰ったらいつ、どうやって俺の体に仕込んだか、その辺詳しく話してもらうからな! いいな!!」
「ふぁ、ふぁい!」
ユリのほっぺたを引っ張るのを止め手を離してやる。
ユリは恨みがましい目を俺に向けてくる。
「シンジ君、そろそろ別れの挨拶はそれ位で終わりにしてくれないか?」
「はいよ。 じゃあな」
俺は三人に再度別れを告げ、船の中に戻る。
先頭に男、後ろにエバという形に挟まれて俺は歩いている。
その途中、ジムと言ったか?が後ろを振り向かずに俺に話し――と言うか提案を持ちかけてきた。
「さて、お互いの事を知る為にも情報交換が必要だと思うのだがどうだろうか? ここでお互いのカードを少し切ってみても良いのではないかね?」
「で? 更に俺を混乱させて煙に巻くつもりかよジム大佐殿?」
「そういうつもりで発言したのでは無いのだが……。 不快に感じたのなら謝罪しよう。 済まない」
「……分かった。 その話に乗ってやるよ」
俺は上級士官用の部屋に通され、椅子に座りエバ少尉にテーブルに置かれたコーヒーを勧められた。 しかし俺はコーヒーには手を付けない。 コーヒーに何かを盛られているという警戒もある。
「コーヒーは嫌いかね? エバ少尉の入れたコーヒーは絶品なのだがね」
「俺はコーヒーよりも紅茶派なんだ」
「そうか。 では今度からはそうしよう。 さて……私から提案したんだ。 私から話しを始めるのが筋だろう。 だが歴史が古く話も
長くなるので多少端折らせてもらうよ?」
「重要部分は端折らないでくれよ。 嘘も無しでだ。 其処一番大事だからな」
「それについては飽く迄も私が権限を有している範囲内でしか無理だな.。 済まないが私も組織の一員なのでね。 ルールは守らなくてはならない」
ジムのその断りにで俺は少し考える。 ここでごねても必要な情報を捻り出すどころか相手がヘソを曲げて聞き出せなくなる可能性が高くなる。 なら、ある程度は妥協するしか無いだろう。
「まあ、それでいいや」
「では始めようか」
なるべく早く更新速度を戻したいと思います。




