第四十八話
明けましておめでとうございます。
本年もどうか宜しくお願いします。
――天の島 星の館
アプサラス達に連れられて久しぶりに星の館に訪れた俺。
俺が星の館に入る前に扉が勢い良く開け放たれ、中から流れる輝く金の髪をなびかせながら女性が飛び出して来た。
そして俺の腕の中に思い切り飛び込んで来た。
「グンディール様……!!」
そう、この女性こそ『天の島』、星の館の管理人神アリアンロッドだ。
元は時と月の女神であり時を操る『星の銀輪』を持つ女神であったが、俺の旧槍ヴァルスロットの穂先の短剣の能力、相手に権能を与える力で星と太陽の権能を得た。
相手に権能を与える能力はユルン・メトスにも受け継がれている。
ただ、権能を与える能力は個人のキャパシティを超えて使いすぎると力を暴走させてしまい死に至る。
それに俺自身には使えない、と言うか効果が無い。
あれば真っ先に使って剣の権能を手に入れただろう……。
それにユルン・メトスとなってからはそれに加えてもう一つ能力が付加された。
こちらの付加された能力に付いては今は関係ないので後日説明する事にしよう。
アリアンロッドは兄妹の恋人で兄の子を身籠ったとかマース王の魔術で双子を産んで捨てた母性を否定する女神だとか言う研究者達も居るが、実際は逆で彼女は独り身で思いを寄せる相手も居なければ子供も居ないし、とても母性的で子供好きだ。
余りに子供が好きすぎて時々お持ち帰りしてしまう程だ。
「久しぶりだな、アリアンロッド。 相変わらず綺麗だ」
「グンディール様……、ずっと……、待ってました……。 帰ってくるのを、ずっと……」
俺は腕の中にいるアリアンロッドの髪を撫でてやる。
こいつにもずいぶん苦労させたからな。
暫くそうしているとアプサラス達が痺れを切らして、
「グンディール様、アリアンロッド様、見せつけてくれるのはいいんだけどそろそろ舘の中に入ろうじゃん。 グンディール様もゆっくりと寛げる処で話ししたらいいじゃん?」
「そうだな、大事な話しもあるし中に入ろう」
俺達は星の舘の扉を潜り、エントランスから懐かしき星の舘の中に入っていった。
――星の館 リビング・ルーム
俺とアリアンロッド、アプサラス達に他数名の女神達が俺の周りに集まって、ウェスタが入れてくれた御茶や手作りの茶菓子を食べて暫くの間談笑していた。
「処でグンディール様……、大事な話しがあるって言ってたけど……、どんな話し……?」
「ああ、実はな俺の生まれ変わった国の神族に俺の居場所とこの永久の幻想島の場所がバレた」
「「「えっ!? それってまずいんじゃ無いですか!!」」」
女神達が皆、見事に揃って言葉をハモらせた。
「だからちょっとした大イベントを二つ行う」
「「「イベント?」」」
「おう! まず一つは永久の幻想島を別次元へ移動させる。 そして、そこで永久の幻想島を拡張して一つの完全な世界にする。 言う成れば完全なる天地創造だな!」
「「「……」」」
皆一斉に押し黙ってしまった。
やっぱり皆呆れたか?
「グンディール様……、一ついい……ですか……? そんな大規模な力の行使が……、可能なんですか……?」
アリアンロッドの答え代わりに俺はユルン・メトスを召喚して見せた。
ユルン・メトスの槍の柄は見事な装飾が施され、穂先は、光に翳すと緋と青のグラデーションで刀身を彩り美しい輝きと力を放っている。
「グンディール様……、それが新しい槍……? 綺麗……。 それに……、物凄い力を秘めてる……」
「そう! この槍の御陰でその二つの事が可能に成った、ただ、永久の幻想島を原型を保護しながらの作業だから女神達全員の協力が必要だ。 その上、力の起点はこの『天の島』を中心に展開するからお前らへの負担が一番強い。 まあ、死ぬ 事は無いがかなりしんどいはずだ。 それでも、俺に協力してくれないか? 頼む!」
俺がこの場にいる女神、精霊達全員に頭を下げて頼み是非を問う。
女神達は互いに頷き合い、アリアンロッドが皆を代表して返答する。
「この世界はグンディール様のもの……、だから元から……、私達に……、否は無い……」
「でもでもグンディール様、どんな世界を創るんですか?」
「それはこれから島の全員の意見を聞いて擦り合わせをしていく。 その為に時間がかなり掛かるだろうから早めに皆を集めて会議の場を開くつもりだ」
「皆で考えた世界が実現するじゃん! 興奮するじゃん!」
「言っとくが余りにも極端過ぎるのは無理だからな」
俺は苦笑いしながら女神達や精霊達に釘を差しておく。
その後、日が暮れるまでこれから先の俺達の未来の世界に付いて語り合った。
1/2 訂正 第四十七話
――天の島 星の館 ⇒ ――天の島
星の館にまだ到着していないので星の館の記述を削除しました。




