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第四十六話

 グンディールの嫁は一体何人になるのか!?

 筆者にも最早、予測不可能!!

――水晶のの舘 セックヴァベック サーガの執務室


 俺はサーガの居る執務室の扉をノックする。


「俺だ。 サーガ、今いいか?」


「グンディール様? ちょうど良い処に。 どうぞお入り下さいませ」


 扉を開くと同時に何かが俺の体に体当りしてきた。

 確認すると、それはスクルドだった。


「グンディール! グンディール! 会いたかったよう!!」


 俺の鳩尾辺りに頭をグリグリと押し付ける少女。


「スクルド! 久しぶりだな! て事は……」


「スクルドだけではないよ、グンディール。 私達も来ている」


「お久しぶりです。 グンディール様~。」


 執務室のソファーにはウルドとベルダンディー、ヘズが座っている。

 そして、ヘズの隣には見慣れない少女の女神が佇んでいた。


「ヘズは来ていたのは知っていたが、まさかウルド達ノルニルも来ていたとはな。 ……後、ヘズの隣の娘は?」


 其処でヘズが立ち上がり、女神の紹介を行う。


「彼女はゲルセミ。 フレイヤ様とオード様の娘でスノフの妹です。 僕の身の回りの世話をしてくれています」


 フレイヤは元ヴァン神族で現アスー神族の美の女神にして戦乙女の頂点に立つ女神だ。 ……そして、アース神族の男神でも顔のいい男達の愛人でもある。 その食指はロキにも及んでいるのだからか顔が良けりゃあ手当たり次第だ。 ちなみに、オーディンの愛人でもあり、アインヘリアルをオーディンと山分けしている。


 オードは放浪の旅の神でそんなフレイヤに嫌気が差し、離縁して行方しれずだ。


「ゲ、ゲルセミです。 初めまして、グンディール様」


 ゲルセミはおどおどしながら俺に挨拶する。


「おう! グンディールだ。 スノフに妹が居る事はスノフから聞いていたが、まさかこんな可愛い娘だとはな。 さすが、フレイヤの娘なだけはある」


「お、お褒め頂き恐縮ですっ!」


 ゲルセミは顔を真赤にしてアワアワと動揺している。


「そんなに固くならないでいい。 で、何で五人が永久の幻想島に来てんだ?」


 俺はウルドとヘズに疑問だった事を質問する。


「それはだな、説明すると……」


 ウルドの説明を要約すると、だ。


 ウルド、スクルド、ベルダンディーの三人は自分達の将来の婿を占ったら、結婚できないと出た。

 それを回避する方法が世界樹ユグドラシルの世話の管理をする事だった。

 そうする事でユグドラシルの生命力を高め、俺が槍を失ってもユグドラシルの枝を素材とした新たなる槍を得る事で、俺との縁が強く結びついて俺に嫁ぐ事が出来る。 と、言うものだった。


 ヘズとゲルセミに関しては永久の幻想島の子孫繁栄の為に必要なのでウルド達がヘズを生き返らせてこの島に二人を連れてきたそうだ。


「つまり、お前ら三姉妹は嫁に行く為にユグドラシルの世話をしていた……。 て言うか、嫁ぎ先って俺の他に無い訳?」


 俺は頭痛がする頭を抱えて三人に質問する。


「占いの結果から、そもそも私達の結婚相手はグンディール、お前しか居ない。 故に、お前がどうにかなってしまったら私達は生涯独身だ。 そんなのは御免こうむる」


 俺の頭痛が更に増す。 あっ、頭痛い……。


「……そうなると俺には拒否権が無い訳で、ウルド、スクルド、ベルダンディーが俺の嫁に加わる訳だ……」


 だが、ウルドは俺に更なる追い打ちを掛ける。


「言っておくがな、グンディール。 嫁は私達で終わりでは無いぞ? 既に第二、第三の嫁確定者達が遣ってくる。 諦めろ」


 その言葉を聞いた俺は目玉が飛び出さんばかりに目を見開いてヘズを指さす。


「だったらその婿候補、ヘズに肩代わりしてもらえないのか! 俺だけだと流石に身が持たん! いや、ホントに!!」


「往生際が悪いのう、グンディール。 諦めろと言うたろう。 そもそもヘズにはゲルセミがおる。 ヘズとゲルセミの子達は未来の永久の幻想島の繁栄に必要なのだ。 良き運命が悪しきものに変わる可能性はお前とて望む所ではあるまい。 それに……」


「それに?」


 ウルドは俺に耳打ちする。


「そんな事をすればゲルセミがヘズよりお主に惚れてしまい、スノフがヤンデレになるぞ」


「げっ、それは勘弁!」


 スノフは普段は明るく美しい快活な女性だ。

 そのスノフがヤンデレになると……想像するだけで恐ろしい!


「だから、ヘズを生き返らせたのか」


「そう言う事だな」


 つまり、ヘズを生き返らせたのは将来の悲劇を回避する為でもあるのか。 ありがたいんだか、なんなんだか。

 ともかく、立て続けに嫁がやってくることはあるまい! そう考えた俺の予想は甘かった。



「あっ! それと、ヴァン神族のグルヴェイグが嫁に来るからな」


 と、付け足すウルド。 トドメにサーガが。


「ルー様からカオティクス・ウイルスの件の礼に嫁を一人貰って欲しいとの連絡を受けております」


 俺の脳は思考の許容範囲を超えてぷちんと何かが切れる音がした。

 駄目だ! 此処にいては嫁が増える一方だ! 逃げるんだグンディール! 逃げなければ殺られる!!

 俺は体に抱きついてるスクルドを引き離して徐ろに扉に向かい、扉を開け放つとダッシュで執務室から逃げ出そうとした。 


「甘いです。 グンディール様」


 サーガはいつの間にか手にしていたロープをクイッと引っ張ると俺の足に引掛て俺をこかす。

 くそっ! 俺の行動パターンが読まれてる!!


「見逃してくれ! サーガ! 流石にこれ以上の嫁は堪忍や!!」


 しかし、サーガは無情にも言い放つ。


「致し方ありません。 これも永久の幻想島の未来の為、男性の人口増加の為です」


「で、本心は?」


「乱交もいいかも♡」


 サーガが頬に手を添え、ウットリとした濡れた瞳で(のたま)う。


「やっぱ、逃げる!」


「逃がしません♡」


 その後、俺はサーガと三時間みっちリ格闘する羽目になった……。


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