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第二話

 そろそろ此処から移動しようとしたその時、俺が歩いてきた脇道とは反対側の道に二十歳前後の女性が立っていた。

 明るい金の髪を腰まで伸ばし、ポニーテールにしている。

 モミアゲはクルクルの巻き毛だ。

 綺麗に整っているまるでビスクドールのような顔立ちと色白の肌。

 スラリとした長身。

 そして男なら思わず視線を胸に向けてしまう程の爆乳!


 この島には人がいる! 助かった! と思った矢先。

 女性は俺を見るなり、怯えたように震えだした。

 これはまずい! このままでは逃げられてしまい、この島から脱出する方法を聞けなくなる!

 俺は慎重に女性に話しかける。


「……あのー、すみません。 俺、遭難してこの島に辿り着いたんですけど……。 この島って何処ら辺ですか?」


 て、日本語で話しかけてどうする! 相手は外国の人だぞ!

 俺の事を見つめて震えていた女性が、いよいよ大声を出す雰囲気になる。

 やばい! どうしよう!


「おっ、男の人が居るーーーっ!」


「えっ! 驚くとこ其処!? ていうか言葉がわかる!?」


 女性はすごい勢いで此方に向かって走ってくる。

 それに対してオロオロする俺。

 もしかして此処って男子禁制の場所か何かなのだろうか?


 そして女性は俺の前に立ち止まり、俺の空いてる方の手をガシっと両手で掴む。


「あのあのっ! 男の人ですよね!!」


「はい、そうですけど……。」


「本当に! ほんとーーーに、男の人ですよね!!」


「ええ、胸も無いし、ピーーーもちゃんとありますけど……」


「やったわ! これで、この島も救われます!!」


 女性は俺の事を手を合わせて拝んでいた。


「あの~、何がどうなっているんですか? 俺、船から落っこちてこの島に流れ着いたんですけど……」


「!? 外の世界の人……、ですかっ!? この島は外の世界から入る事が出来ないのに!? とっ、兎に角、私と一緒に来て下さい!!」


 彼女はルナティアと言う名前だそうだ。

 俺はそのままルナティアに手を引っ張られて、彼女が住む村に案内された。

 村人達は皆、俺の事を食い入るようにじーっと見つめている。

 その村の人々を見て、俺は違和感を抱く。

 そう、村には老いも若きも女性ばかりで男の姿が人っ子一人見当たらない。

 はて? どういうことだろうか?

 

 俺がその事について考えを巡らそうとした時、彼女は一軒の大きな家に俺をの手を引いて入っていく。

 どうやら目的の場所に着いたようだ。


「オリエ村長ー! いらっしゃいますかー?」


「何だね、ルナ。 そんな大きな声を出して端ない」


 そんな事を言いながら玄関に出て来た白髪の老婆。

 そして老婆は俺を見るなり目を見開き驚愕する。


「おとっ! おとっ! 男がおるうーーーーーーっ!!」


 ……この島では男に対してこの反応がデフォルトなんだろうか?


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