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第十八話

 書き忘れていましたがこの小説、ある程度話しを進めたら官能的と言うか、微エロを含む展開に持っていくつもりです。

 俺がこの永久の幻想島に来て半月が過ぎた。

 何だかんだでいつの間にか此処での生活にも慣れてきていた。

 ……て言うかこの島での生活が俺にとって当たり前な感じだな。


 ただ、物足りないのは島に住んでいた男達が居ない事だ。

 男同士、時に語らい、時に笑い、時に馬鹿な騒ぎを起こして楽しむ。

 今のこの島ではそういった相手が全く居ないのだ。

 これには()しもの俺も寂しさを覚える。


 とは言っても高校ではツノダの所為で俺は友達が作れなかったが。

 クラスの奴らがツノダの標的になるのを恐れて俺に近づかなかったからだ。

 ……まあ、学校以外では中学校の時の同級生やカタナベの剣術道場仲間達と楽しく過ごせていたけど。


 永久の幻想島では命を蘇らせる事が出来る女神も複数いるが、どういう理由かは分からないが生き返らせる事が出来無いらしい。

 男達を死なせた伝染病がそれ程までに特殊な病気だったそうだ。

 ……其処まで特殊だと第三者の関与が疑えるが、この島は世界と空間を遮断され、更に永久の幻想島を防衛する女神も居る。

 例え神でもそうそう侵入出来ない仕組みらしい。


 唯一、外と行き来できるのはイリスという伝達を司る女神だけだが、イリスは他者を連れて永久の幻想島を出入り出来ない(ちなみに俺がイリスに頼んで外に連れてって貰おうとしたらそう言われた)。

 せめて俺が無事である事を記した手紙を俺の家に届けてもらっている処だ。

 何にしても今は、伝染病について調べようもないわけだな。


 さて、休憩も終わりにして狩りを再開するか。

 今日は鹿と猪を狩って帰るつもりでいた。

 鹿はレバーと肉の一部を刺し身にして残りはもみじ鍋に、猪はぼたん鍋だな。

 この永久の幻想島では食中毒菌や寄生虫、ウイルスの心配が無いとエイル達医療関係の女神に教えてもらった。

 だから鹿のレバーも生で食える。

 鹿はさっき狩って血抜きしたから、次に狩るのは猪だな。


 さて、猪は……居た! 木陰で土を掘り返して芋か何か食べてる! よし、狩るぞ!

 俺は気配と足音をを消して猪に近づく。

 俺は槍ではなく、ヴァルスロットの柄の棒を構える。


「きょ~うのば~ん飯、もっみじ鍋~! し~かの刺っし身~も、いっいかもね~! あっしたの~、ば~ん飯、ぼったん鍋~! い~のし~し刺っし身は、無~理だよね~!」


 猪は俺に気付くと、俺に向かって一直線に突進して来た。

 おうおう! 生きがいいのう! こりゃ、味も期待できるかな?

 俺の迎撃範囲に入った猪の正面、額目掛けて石突き部分で突きを放つ。


「プギャアアアァァァーーーーーーっ!!」


 猪は額を割られ、即死した。

 まだ痙攣している猪の血抜き作業を始める。

 と言っても心臓に短剣を一撃でグサリと刺して出血させればいいだけだ。


「フンフンフ~ン♪」


 俺は猪の足にロープを結び、担いで先ほど狩った鹿を取りに行き、屋敷に帰宅する。

 神々の屋敷に帰宅した俺は早速、鹿と猪の解体作業に入る。


 鹿はレバーと肉の一部を刺し身に、後はもみじ鍋にして。

 猪はレバーを今日中に焼くか唐揚げにして食べて、肉は冷たい水に一晩付けておけば美味しくいただける。


 さて、後の調理はウケモチさんに頼んでくるか……。

 俺は食堂の台所に行き、ウケモチさんに声を掛ける。


「ウッケモッチさ~ん! て、 あれ? 居ない……?」


「ウケモチさんなら用事が出来て二、三日帰ってきませんよ?」


 後ろからの声に振り向く。

 其処には明るい茶色のツインテールの髪で、見た目が十三、四歳の少女が食材が入った籠を抱えて立っていた。

 少女は籠を近くのテーブルに置き、一つ溜息を吐く。


「よっこらしょっと……、ふう。 それでグンディール様、ウケモチさんに何か御用?」


「ええ……っと、君は?」


「あっ! 自己紹介してなかった! 私、ヘスティア! この屋敷の管理をしてるの! 女神達の食事も私が作ってるんだよ!」


「俺はシンジ。 えっと、鹿と猪狩ってきたから調理してもらおうと思ったんだけど……」


「ああ、それなら私が遣るよ? ウケモチさんからグンディール様――シンジ様の事、頼まれてるから」


「そうなんだ、でも……」


 俺は思わず口籠る。

 この子、見た感じ完全に西欧圏の人間だよなあ。 そんな子にもみじ鍋やまして鹿のレバ刺し、鹿肉の刺し身なんて出来るんだろうか?


「あー! ちゃんと料理が出来るか私の事疑ってるわね! これでも一応、家庭を司る女神で料理は専門分野なんだよ!」


「でもなあー、もみじ鍋はともかく、鹿のレバ刺しや鹿肉の刺し身なんて無理だろ?」


「出来るよ?」


「へ? 出来るの?」


「うん! だってイリスから色々と外の世界の料理の本とか調達してもらって、ウケモチさんやウェスタ達と一緒に料理の研究してるもん!」


 う~ん、どうしようか? それなら一度、頼んでみるかな?


「……じゃあ、お願いしようかな」


「任せて!」


 俺は鹿のレバーと肉、猪のレバーをヘスティアに渡す。

 食材を受け取ったヘスティアは差速調理を開始する。

 十分位だろうか? ヘスティアは瞬く間に調理を完了する。


「美味そう! 食べても?」


「どうぞ召し上がれ。 鹿刺しは、肉の方を醤油と土生姜のタレ、レバーの方は塩と胡麻油のタレに付けて食べてね!」


 俺はヘスティアの許可を貰い料理に箸を付ける。 まずは鹿刺しから。 うん! 美味い! 生臭さは殆どしない。 上手く血抜きができてるな。 生レバーと生肉の食感最高! 特にレバーは蕩ける感じと少し甘みのある味がいい! そして、カラッと揚げた猪のレバーの唐揚げ! 鍋の出汁がいい具合に染み込んだ鹿肉のもみじ鍋! これだよ! 俺が求めていた味は!


「ありがとう! ヘスティア! とても美味しいよ! 明日はぼたん鍋を作ってくれないかな?」


「いいよー! ん? どしたのエイル達? まだ、貴女達の晩御飯の時間じゃないよ?」


「へ?」


 ヘスティアが俺の後ろに向かって声を掛ける。

 いつの間にかエイル達ワルキューレが、涎を垂らして俺の後ろから料理を覗き込んでいた。


「美味しそうね~。 私にも一口頂戴!」


「「「お願いします! グンディール様! 私達にも一口だけ!!」」」


「ちょっ!? まて! 一口ずつって言っても全員が食べたら俺の分が無くなっちまうよ!!」


「ケチ臭い事言わないの! ほんの一口だけだから!」


「駄目ーーーっ!!」


 かくして俺とエイル達ワルキューレの熾烈な晩飯争奪戦の火蓋が切って落とされた。


 誰が渡すか、俺の晩飯ーーーっ!!


 治療中の歯が痛くてちょっとイライラ気味です。

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