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第十二話

9/18 第十一話 修正


 女神の名前を間違えていました。


 テシュター ⇒ チシュター


 大変申し訳ありませんでした。


 俺は今、エイル達ワルキューレと一緒に戦闘訓練を積んでいた。

 この島にも一応、危険な獣、魔獣がいるらしい。

 それらから身を守る為の訓練だ。


 そして俺は今、ワルキューレのエイルと手合わせしていた。

 武器は勿論、剣だ!


「始めっ!」


 審判の開始の合図に、お互い剣を打ち合う。

 エイルの素早い動きに俺は付いて行けずにいた。


「えいっ!」

 

 エイルの剣の一撃が俺の剣にぶつかる。 カランッ! あっ! 剣を落とされた!


「エイル隊長の勝ち!」


「も、もっかい! ワン・モア・プリーズ!!」


「はあ……。 いい加減にしなさいよね! グンディール! 長剣や大剣ばかり使って! アンタが使える武器は短剣か、棒か、槍だけなんだから、それを使いなさい!」


「だって俺、小さい頃から木刀と本身の刀しか使った事が無いんだよ! 短剣はともかく、棒や、ましてや槍なんて無理だよ! イキナリ使える訳無いよ!」


 そんな俺にエイルは練習用の刃引きした槍を持ってきて俺に投げて寄越す。


「うわっ!」


「いいからっ! グダグダ言わずにそれ使って! やってみればわかるから!」


 俺達は訓練開始位置に戻る。

 槍なんて使ったこと無いから構えとか知らないぞ?


「始めっ!」


 再び審判の開始合図。

 エイルが姿勢を低くして走ってくる。

 さっきと同じはや……えっ、あれ? 何か、エイルの動きが凄くゆっくりに見える。 まるでビデオ・レコーダーを一コマ一コマ、コマ送り再生しているみたいだ。

 こんなの、倒して下さいって言ってる様なもんだぞ。

 それでも槍を使う自身なんて無いけど……。


 しかし、俺のその思考に反して体が勝手に動く。

 槍を回転させ、石付きのある柄の方でエイルの剣を弾き、そまま体制を崩したエイルが俺に突っ込んで来るのを横に僅かに体を反らして 躱す。

 そして一回転した槍の切っ先はエイルの頚椎に向けられた。


「……まいった」


「グンディール様の勝ち!」


「へっ……?」


 俺は思わず変な裏声を出してしまった。 事態を飲み込めず、呆然とする俺。

 そんな俺に、エイルは当然という顔で俺に顔を向けた。


「ほら! だから言ったでしょ! アンタは槍使いなんだから、槍を使いなさい!」


「は、はは……。 マグレだよマグレ! 今回は偶々運が良かっただけ! ビギナーズラックて言うやつさ!」


「……じゃあ、もう一回遣ってみる?」


「お、おう! 当然!」


 俺は結果に満足できず、エイルにもう一度勝負を挑む。

 俺達は再び、訓練開始位置に戻る。

 そしてエイルと向き合い、自然体で槍を持つ。


「始め!」


 その瞬間、エイルが俺の視界から消えた。

 でも、何故か俺にはエイルの正確な動きや位置が手に取るようにわかる。

 俺の死角から回り込んで後ろにいるエイルは、俺に対して頭上から剣を振り下ろそうとしていた。

 エイルが剣を振り下ろすよりも早く、俺は石付きでエイルの鳩尾を突く。

 鳩尾を突かれたエイルは素早く後退し、体制を立て直そうとするが、今度は俺がエイルの死角に回り込んで槍の穂先を振り下ろし、頭に当たる直前、寸止めする。


「グンディール様の勝ち!」


「……ほら、やっぱり槍を持った方が強い。 今度からアタシの相手してくれるなら短剣か棒でお願いね。 でないとアタシ、全然太刀打ち出来ないもん」


 エイルは少し拗ねて俺に自分と立ち会う時は、手加減するように言う。


「はは、そんな馬鹿な……そんな馬鹿なーーーーーーっ!! エイル! もう一回だ! もう一回!!」


「イヤよ! 何度やっても結果は同じ! アンタに槍を持たせたら勝てる奴なんていないんだからね! それでも納得出来ないなら、今度別の相手を連れてきてあげるわよ!」


「やったー、ありがとう! エイル!」


 喜びのあまり俺はエイルに抱きついて包容する。


「ベ、ベツニアンタノタメナンカジャナインダカラネ!」


 何故か片言で喋るエイル。 何でだ?


 ……そう言えば訓練の時から凄く気になってたんだけど、エイル達ワルキューレの鎧って、すんごく体を覆う面積が狭いな……。


 具体的に言うと 額には羽飾りが付いた額当て、足には太腿丈まであるストッキングを金属の足当てで補強した色っぽい物。 

 胸は金属で出来たヌーブラの様な物で胸のトップを覆い、股間はマイクロビキニみたいに過激な物だ。


 青少年には刺激がキツすぎるよ……。 あっ、意識すると鼻血が……。


「どうしたの?」


「いやあ~、ワルキューレの鎧って凄く露出度高いよねえ。 そんなんで防具の役割果たしてるの?」


「ああ、これね。 確かに昔着てた鎧より露出はかなりあって人に見られると今でも恥ずかしいけど、これでも防御能力は高いのよ? しかも、頭から足の爪先まで全身を覆う鎧になって防御能力が更に上がるから安全なのよ。 ……何よ、もしかして私に欲情した?」


 エイルが不敵に笑い俺をからかってくる。

 

「う、うん、凄く魅力的だよ、エイル……」


 俺は素直に自分の思っている感想を述べた。

 すると、エイルは顔を真赤にして狼狽える。


「なっ! 何言ってんのよ、馬鹿! 恥ずかしいじゃない! ……神に覚醒したら、私の……全部見せてあげるわよ……」


 エイルが最後の方に言った言葉が聞こえず、俺は聞き返す。


「え、最後何か言った、エイル? 良く聞こえなかったんだけど……」


「バッ! 馬鹿! 何でもないわよ! それより何時まで抱きついてんのよ! 離しなさい!」


 エイルは俺から強引に離れるとそのまま走り去っていった。

 ……やっぱり素直に言うんじゃなかったな。


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