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青春の安らぎ
好きになったきっかけは綺麗な青空に桜がひらひらと舞い落ちる二年前の四月。
校長式辞で峰は遅れてきた。
しかも何故かボロボロで。
寝癖はひどいし、ワイシャツは裏表逆だし。
きっと急いで来たのだろうと思った。
あるとき。図書室に行くと峰だけしかいなかった。
真剣な様子で何かを読んでいる彼の横顔は私の初めて見る表情だった。
邪魔しないようにそっと彼のいる場所から離れた椅子に座って勉強をし始めた。
ページをめくる音と。私の動かすシャーペンの音しかしない静かな図書室というのはとても心地の良いものだった。
窓から射すオレンジ色の日差しと微かな本の匂い。
友達といる空間が多い。だからこそ一番安らげるのは
この静かな図書室だ。