演じ屋6
思い切って行動に出ているつもりでシオンと初めて会った川原に来てみたけど、そこにシオンはいなかった。
もしかしたらいるかもとか考えていた俺が馬鹿だったな。
てか、計画性ないなー・・・俺。
仕方なく俺はその場に座り込んでぼーっと空を眺めていつ現れるかもわからないシオンを待つことにしてみた。
「・・・宮崎歩くんかな?」
突然俺は背後から声をかけられた。
振り返るとそこには全く知らないおっさんが1人突っ立ていた。
だけど怪しい・・・怪しさ抜群だ。
黒いスーツに帽子、グラサン・・・例えるならマ●リックスみたいな・・・いやいやそこまではないかも。
「いや・・・俺は山田桃太郎です。」
回避しようとして仮名名乗ったけどすぐばれそうだ!!
しまった!!!
「いや、君が宮崎歩のはずだ。間違えるはずが無い。証拠に奴ら以外にもお前がソレを身につけているからな。」
ソレ?ソレって一体何のことだ?
てか、他の奴らって誰のこと?
「君の命、俺にくれるかな?」
そう言ってマ●リックス(?)は俺に拳銃を突きつけてきた。
銃口は額に向けられている。
あぁ・・・コイツ俺を殺しに来たのかー・・・そうかそうか・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
え?マジで?!マジでなの?!
冗談じゃない?アメリカンジョークでもないの?!
なんかエアガンって感じでもないよ。すげー『本物ッ!』て雰囲気が出てる!
やばいやばい!トリガー引かれたら俺即死!!!
なんか『俺即死』の部分が某アニメの『悪即斬』みたいでかっこいいとか思っちゃった俺って馬鹿?
いやいやつーか逃げなきゃ!!
「いやいや、ここは話し合いでいこうよ。無駄な殺生はよそうよ?」
そう言い捨て俺はダッシュで逃げた。
そう、マ●オのBダッシュのごとく!
だけど銃声が響き、弾丸が俺の頬をかすめた。
生暖かいものが頬を伝ってアスファルトにポタポタ落ちているのが凄く分かる。
た・・・助けてお巡りさん!!
俺就職もしないまま死ぬなんて嫌だ!まだ高校も卒業してないのに!!
「待ちやがれ!!」
「待てといわれて待つ獲物がいるわけねーだろ!!!」
ひぃー!!弾丸が飛んでくるーッ!!
ガンガン飛んでくる弾丸を避けていたら、前方に一人の女の子が見えた。
まだ小学生くらいの。
このままじゃあの子巻き込んじゃうよ!!
「君!!逃げて早く!!変なおじさんがこのご時世において銃刀法違反してるから!バンバン撃ってきてるから!!」
「え?」
女の子は立ち止まって硬直してしまった。
あぁっ・・・もう!!
俺は必死に女の子を担いだ。
そしたらその時だった。
丁度下腹部を弾丸が通過していった。
俺は女の子を抱えたままその場に倒れこんでしまって、女の子が泣きそうな顔をして俺のことみていた。
「お・・・お兄ちゃん。」
「はやく・・・逃げろよ。」
男が近づいてきた。
あぁ、なんでこうなるんだよ。
俺ってそこまで運がないやつなのか?
「俺に・・・力があれば、君を守ってあげられるのにな。」
「おにいちゃん、喋らないほうが・・・」
なんだか考えるの面倒くさくなってきた。
大体なんでコイツは俺の命狙ってんだ?
狙われる理由が全くわからねぇよ。
つーかさぁ・・・名前くらい名乗れよ。
「おいオッサン。」
俺はこっからはほぼ無意識だった。
なんか髪飾りが光ってるぽい。
「あいつらって誰?俺を狙う理由は?お前の名前くらい名乗れ。常識だろうが。」
髪飾りの光が強くなって、俺を包み込んだ。
その時誰かの声が聞こえた気がした。
とても懐かしいような誰かの声が。
『手を伸ばせ そして掴め 僕とフリズムするんだ』
フリズム?
あぁ・・・シオンが誰かとフリズムするとか言ってたな・・・誰だっけ?
『開花しろ 内に秘めているそ種を マザーの騎士として再び目覚めろ』
誰かの声がそう言い告げて光が治まると、目の前には男性が一人いるだけの危機状況にもどった。
しかし、男性は焦りながら腰が引けている。
「お・・・お前もやはりAIだったのか!」
「えーあい?」
AIって言うと人工機能とかそういう意味?機械的人工機能のことだよな?
でも俺はいたって普通の高校生・・・
「お兄ちゃん・・・どうやって早着替えしたの?」
「着替え?」
少女が後ろから不思議そうに声をかけてきて「早着替えをどうやった」と聞かれて困った。
なんのことを言っているのやら・・・着替え?
改めて自分の服装を見てみた。
「・・・・・・はぁ?!何コレ!!」
自分が身に着けている服は制服ではなくどっかのRPG風味の衣装だった。
なんだか髪の毛も少し長いし、水色になっている。
「なんだ?お前プロテクトされていたAIなのか?」
「ぷ・・・ぷろてく?」
「なんだ、お前何も知らないんだな。なら手っ取り早い!」
再び銃口が俺にロックオン!
どどどど・・・どうしよう。
丸腰だよ?スクール鞄なら少しくらい防御力あったんだろうけど、どっか消えちゃったし。
とかなんとか考えているうちに、トリガーが引かれてしまった。
思わず俺は腕で防御ポーズをしてしまったんだけど・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・?」
おかしい。
貫通するはずの銃弾の痛みがない。
俺は恐る恐る目を開けてみた。
「ギリギリってところですね。」
俺の前で魔法壁みたいなもの作ってる知らない人がいた。
でも、こいつを良く見ると俺と同じ髪飾りの石をピアスにして耳にしていた。
まさかこいつ・・・。
「シオン?」
「正解!しっかし・・・いつハロルドと契約したんですか?てか、能力を使わないとは・・・無謀な人ですね。」
「ハロルド?会ってないぞ、そんな奴。それに能力ってなんのことだ?」
「・・・そうか・・・君はプロテクト状態だったようだね。ならいつ覚醒しても仕方ないわけだ。」
「だからなんなんだ、プロテクトって。」
「君は過去に僕らと会っている。その時のことが総て抜き取られて能力には鍵をかけられていたんだ。さて・・・説明はそのくらいで、まずはこっちだ。」
シオンは男性の方へ向き直った。
男性はびくっとして、銃を構えてシオンから一歩づつ後ずさる。
「僕の仲間・・・まだ能力が使えないんだよね。それなのに何も知らない仲間をぶっ殺すと?ほほぉ・・・いい根性してますね。腐ってますね。」
あれ・・・?シオンが黒い。黒いオーラが強すぎて俺近づけない。
「一遍逝けや。」
気味が悪いくらいにっこりした笑顔でシオンは男性に向かってなんだかよくわからないが魔法のようなものをぶつけて吹っ飛ばした。
数秒後、男性は伸びきっていた。
ついに主人公が開花!でも状況はよく把握してないようだ。




