演じ屋5
『急げ!!捕まったら終わりだ!!』
『待って!待ってよ!!』
『あぁっ!!――が!!』
『もう駄目だ!お前まで巻き沿いになる!!』
『やめて!やめて!!』
はっとして俺は目を覚ました。
「・・・今のは一体・・・」
夢の中で小さな子供が二人、大人と一緒にある施設から脱走しているシーンが見えた。
その子供の一人は、どこかで見たことあるような顔で・・・。
「なんで、こんな夢をみてしまったんだ?」
なんだか最近おかしい・・・。
ため息をついて、洗面所へ向かった。
「シオン、ちょっといい?」
長身の男性がシオンに呼びかけた。
シオンはある場所でその人物と一緒にいて、デスクワークをしていたが、手を止めて男性の元へやってきた。
「なんでしょう?」
「・・・歩は・・・どうかな?」
「フリズム値78%・・・大分覚醒の時間には近づいてきてはいるようですが・・・時が満ちたら、貴方自信で行ってくださいね?僕も急がしいんですから。」
「うん。ごめんごめん。どうもこうゆうのは苦手でね・・・」
苦笑しながら彼はシオンに謝った。
シオンはご立腹のようだ。
「もう・・・勝手にしなよ」
そういうと、机の上の資料を手にしてシオンは室内から出て行った。
残された彼は、机の上に腰掛けながら、PCの画面に映る歩の画像をみて微笑んだ。
「その時は・・・おかえり・・・と、言ってあげようか?」
机の上には、幼い少年二人と、小中学生くらいの彼が二人の後ろに回って二人の肩を掴み、三人で微笑んでいる写真があった。
その幼い二人は、シオンと歩によく似ていた。
「・・・でも、また笑え会えるだろうか?あの頃のように。」
彼の胸では、壊れたブローチがチェーンに下がって輝いていた。
それを手にして彼はとても切なそうにしていた。
俺は机に向かって勉強をするわけでもなく、ぼーっとしていた。
その時、メールが鳴ったのででてみると、遠くで一人暮しをしている兄貴からだった。
to アユ
from ケイタ
アユ、お前にひとつ。あげるものがある。お前の机の引き出しの左側。
引き出しを引き出して、裏側をみてみろ。
突然一体なんなのだろうと思いながら、俺は机の引き出しを引っこ抜き、裏返してみてみた。
すると、そこにはよくみる封筒が貼り付けられていた。
「なんでこんなところに・・・」
俺はそれをはがして、封を切った。
中を覗くと、一枚の写真と、蒼い石に紋章みたいなものが刻まれている髪留めが入っていた。
「貰ってもいいのかな?」
兄貴にメールをしてみたが、返事は返ってこなかった。
まぁ、いいと言うことなのだと勝手に認識しよう。
「あれ・・・?これって?」
写真を良く見ると、子供が三人写っていた。
その中の一人は、夢で見た子供に良く似ていた。
まさかとは思うが・・・。
「こっちに写ってるのは・・・俺?」
小さい頃の写真と比較してみると、確かにその子供の隣にいる俺に似た子供は幼少時の俺に良く似ていた。
これは一体、何時撮った写真なのかな?
なんか見ていると、懐かしい気もする。
「そういえば・・・この石みたいなの、シオンがピアスにしていたような・・・」
あまり良くは覚えていないが、シオンがこの石に良く似たピアスをしていたような気がする。
「・・・聞いてみれば、分かるかもしれない。」
俺は、写真を生徒手帳にはさみ、髪留めで髪を止めてみた。
そして、行動へ移した。




