特異科と国の歴史
この世界の生物は視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚に加えて超感覚と呼ばれる特殊能力を持つ。
ただ、発揮される特殊能力にはむらが多く能力を開花させた者は利用されたり迫害されたりが多く、隠蔽される歴史を紡いできた。
そんな中、能力が強く、その力を意思どおりに操る特異者が現れた。
そして同胞を導き、率いた彼らはいつしか自らが利用されぬ地を自由であれる地を力ゆえに孤独になることのない地を求めた。
それはいまだ誰も統べる事のいない地。
大海に浮かぶ空白のジェザストの大地に流れ着いた。
エイディン・ザスト
マゼラン・ザスト
ザナ・ハストック
グラント・グラナム・グランデュール
セス・サーティアス
指導的立場にあったとジェザストの歴史に名を残す開国の祖であり五公のうちの三公。
そして国としての歴史が始まった。
そのような歴史を礎にこの国は訓練された特異者の国となった。
幼い特異者に理解と保護を与える全寮制の学院。
能力のタイプが周囲への影響力が多い場合、暴走を抑えるためにも軍属を望まれる。
適切な訓練の下、特異者にも職業の選択は認められる。
力を制御する術さえ学べば職業に対する枷はないといっても過言ではない。
だが、多くの特異者は国属を望む。
吉野景都。
国軍自治管理部特異科所属矯正特区世話役見習である。
物理空間系能力に適性を持つ特異者であり、自棄を起こし暴れるものを制圧する治安員としての役割も担っている。
現在のところ、詩織には関係ないが弟溺愛であり、道を踏み外し気味の弟の行動を憂いている。
当の弟は景都の担当外エリアで『滞納者』として収監されている。
物理系・・・物を破壊したり、浮かせたり、移動させる能力。
空間系・・・転移や空間を扱う能力(定義は曖昧)
精神系・・・精神感応や身体機能への影響など
時空系・・・過去見・未来視など
複合能力になると様々な特性があり、単純に分類することはできない。
この国では生後一年は乳児院主体で成長する。
生まれた子供の特異能力が暴走しやすい時期であるため、抑えたり、導いたりすることが可能な特異者がそばにいることを可能にするためである。
この条件に外れる者は『五公家』と『予言』を受けた子供である。