表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

『納税は国民の義務である!』

真崎詩織

『納税は国民の義務である!』






 新人研修の集合に指定された会場は国営コンベンションセンターの一室。

 所在なさげな若輩者達が掲げられたモットーを見つめている。

 その中に真崎詩織もいた。

 かっちりめのパンツスーツは薄い水色。ぱっちりの瞳は長めのまつげが柔らかさを演出。側頭部高めの位置で一旦、纏め上げたゆるい三つ編み。それを両側でたらしているのでまるで垂れ耳ウサギのようである。

 全体的に小動物のような印象を周りに与える少女。

 ふんわりとして見える髪とその顔立ち。

 そして、視線を下げると細い体。

 その華奢な体に感じるものがある者もいるだろう。

 そう、凹凸がほぼ感じられない華奢な体だった。

 おそらく、18歳という年齢でありこれ以上の身体的成長が大幅に起こるとは考えられない。

 幸か不幸か、その小動物のような面差し、華奢な肢体。あとこれで小柄であれば、法的に何の問題もないロリータコンプレックスプレイが可能だったろう。しかし、彼女は高身長コンプレックス。それなりの身長だ。

 つまり、その身体的特徴を認めてくれる相手を伴侶として選ぶことになるのであろうことは明白な予測である。

 それがこの物語の主人公(ヒロイン)真崎詩織である。

 その内面は、堅実に公務員を目指す安定思考。

 彼女はごく一般的な家庭(両親は共働きで祖父母が近所に住んでいて犬を飼っているちょっとやんちゃな弟がいる)に生まれ、地元で平均値の義務過程学校(共学)に通い、その後、公務員職業高等学校を経て、今ここにいる。


 平均外の義務過程学校。それは軍学校と王室学院、外国人学校がその枠に入る。


 この国は王国であり、王を含め貴族が闊歩する国なのだ。

 その国内にあって、真崎詩織は取るに足らないありふれた小娘に過ぎない。


「番号を呼ばれた順に別室へおこしください」

 先輩であろうスーツ姿の職員が扉を指し示す。

 研修を受ける未来の税務職員たちは受験番号を呼ばれるごとに扉に消えていく。

 緊張で周囲の同期同僚達とコミュニケーションすらままならない。

 そして彼女が次の扉へと導かれてゆく。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ