表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
けんぽう部  作者: 九重 遥
夏から秋へ
44/129

44話 2016年G7科学技術大臣会合は茨城つくば!

茨城県の方を不快にさせる可能性が無きにしもあらずです。


 今日も今日とて部活の日。

 場所は物理実験室。

 前話の続き。

「さて、一回やってみるか。変なの出たら無効ってことで」

 緋毬はお題箱を見ながら言った。

「うぅ、汚されてしまった」

 そう言って泣いてるのは千歳。シャツのボタンは第二の位置まで外れている。胸元が少しはだけてセクシーだ。

「いや、途中で止めただろうが」

「そうだね。私達を何だと思ってるんだろう。痴女じゃあるまいし、本当にしないよ」

「千歳様の慌てっぷり堪能しました」

「ハレンチですわ!」

 対して、やれやれといった表情でいるのは緋毬と御影、アリアだった。尚、セルミナは顔を赤くして千歳をガン見している。

「僕、初めて人間が怖いって思ったよ」

「はいはい、いいから引くぞ」

 千歳の嘆きを切り捨てながら、緋毬はお題箱から一枚の紙を取り出した。

「ええと、なになに………『47都道府県、茨城』」

「…………」

 場に沈黙の空気が流れる。

「いきなり無理難題きたな、これ」

「そうだね。知的キャラの私でも匙を投げるよ」

 沈痛な表情をして、嘆くは緋毬と御影。

 才女だ何だと言われても出来ないことがあるのだ。

「無効ってことにするか」

「妥当だね、ひーちゃん。無理難題は無効だよ」

「いやいや、普通のお題だからね。無理難題ではないからね!」

 千歳がツッコミを入れる。

「いや、わたし達に茨城の何を語れって言うんだよ、千歳」

「そうだぞ、千歳君。女子校生はそんな会話しないのだぞ」

「語ること一杯あるよ、多分! それから女子校生関係ないですからね」

「千歳。茨城って何ですの?」

「ほら、セルミナなんてこのレベルだぞ」

「先行き不安すぎる!」

 セルミナは本当にわからず、首を捻っている。

 アリアが日本地図を書き、茨城県はここだと説明する。

「なるほど。茨城県はわかりましたわ。日本の県の一味というわけですわね」

「何かおかしいが、そういうことだ」

「で、茨城県は何があるのですの?」

「…………それを今から話あうらしいよ、セルミナ君」

「無理ですわ、そんなの!?」

「ほら、千歳。セルミナもそう言ってるぞ」

「うう………企画倒れだよね、このお題」

 孤軍奮闘するは千歳。そこに、アリアが手をあげた。

 援軍の到着に千歳は歓喜する。

「アリアは給仕の仕事を思い出しました。では、お茶を御用意します」

 そして、アリアはいそいそと場を離れた。

「逃げた!?」

「いいことを思いついたよ。携帯で調べたらいいのではないかな!?」

 御影は自称知的キャラの称号を投げ捨て、ネットに頼ろうとする。

「あ、研究所からの伝言です。通信機器の使用は駄目だとのことです」

 アリアはお茶を用意しながら御影の提案を否定した。

 その言葉に絶望するけんぽう部の面々。

「無理ゲーすぎるだろ、それ…………」

「ひーちゃん、きっと次回からは規制緩和されるよ。だから頑張ろう」

「茨城県って何だよ、字から判断するに茨でおおわれてるんじゃね? そして、城」

「そういえば、そのような童話がありましたわよね?」

「お、セルミナ君良い事言ったね! 近づいてきたよ、茨城県の真実に」

「いやいや、全然茨城県に近づいて来てないからね!? 普通の県だからね、茨城県は」

 ツッコミを入れるのはやはり千歳。

「ほら、茨城県って言ったら水戸納豆とか、レンコンとかあるじゃない! 日本の約50%以上のレンコンを生産してるんだよ!」

「お……おう。むしろ、それがとかしか言いようがないし、レンコンの生産量知ってる千歳に引くんだが」

「ひどい!?」

「納豆!? 納豆ですの!?」

「うわ、何かセルミナが暴れだしたぞ!?」

 こうして茨城県に全然触れず、お題の話し合いは終わった。

なぜ茨城県を選んだか、それは『都道府県 魅力度ランキング2014』で茨城県は最下位だったから。特に茨城県に恨みはありません。47都道府県は各県ネタにするつもり(予定)なので、生暖かい感じで見てくれるといいなぁと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ