とある姉妹の場合
「ついに、着いたねお姉ちゃん。
」
「そうだねぇ〜やっとついたねピゴーネちゃん♩」
帝都の入り口にとある少年が着いた頃、別の門にもまた、旅人がついていた。彼女達もまた、冒険者を目指し、この帝都まで旅をしてきたのだった。
「ところで、お姉ちゃん質問なんだけど…」
「なんだい?妹よ?お姉ちゃんになんでも聞いてごらん?」
姉らしき人物はない胸をはった。
「お姉ちゃん、これからお世話になるお店の場所…わかる?」
「HAHAHA………。」
黙り込んでしまった
「もぉー、お姉ちゃんったら、今頼れるのはそこの店だけなんだよ」
時は、三ヶ月程遡る
この、二人の少女
姉、エルフのロロ=グラウンツと妹、人間、ピゴーネ=グラウンツの二人は母と共に名もなき村で慎ましく暮らしていた。父は、姉が物心がつくころに家を出たためピゴーネは父の顔を知らない。母は田舎の小さな村で呪術医師を営んでいた。
村人からは、「エルフの先生」と親しまれ「体が悪くなったらエルフの先生のとこにいけ」と言われる程だった。
しかし、そんな人でも病にかかる
それは突然訪れた、ある日ロロとピゴーネが家に帰ると母が倒れていた。顔は青白く、まるで触れれば折れそうな程衰弱していた。
昨日まで、一緒に庭の薬草を手入れし村人達と楽しそうに笑っていた母が突然枯れ木のように弱ってしまったのだ。
「お母さん!お母さん大丈夫!しっかりしてよねぇ!お母さん!」
「ああ、ロロかい、すまないねぇ焼きがまわっちまったみたいさね
多分あと2.3時間で動けなくなるよ
」
「そんな事いわないで」
「あんたは、ちゃんとピゴーネの面倒を見るんだよ、お姉ちゃんなんだから」
「ああ、そうだこれを渡しておくよ」
母がロロに渡したのは母が愛用していた青と翠と白の宝石が入った宝石入れと一枚の紙切れそして500ガメル<この大陸での基本通貨>だ
「ここに書かれているのは、あたしとトレッサ父さんが昔お世話になった冒険者の店さ、もしあんたらが困った時はここのマスターに相談しな。きっと力になってくれるはずだから」
「ああ、あの人とまたあの星空が……みたか……た………ね………。」
それが、母ミクサス=グラウンツの最期の言葉だった、
「さて、じゃあ、歩きだそうか」
「もぉ、待ってよお姉ちゃん」
この二人もまたこの街で歩き始めるのであった。