47話 お酒
シュウさん(以下、し)「かんぱーい!」
山田さん(以下、山)「かんぱーい。ってうおっ! いつの間に私はグラスを持ってたんだ!?」
し「細かいことは気にしなーい! 今はお酒飲んでるんだから細かいことは気にしない気にしなーい」
山「なんだ? もう酔ってるのか?」
し「よってないれすよ?」
山「酔ってますやん」
し「じゃあ山田さんもグイッとね」
山「グイッて……これ日本酒じゃん」
し「日本酒がダメならいつ買ったかわからないウイスキーとかテーブルの下に置いてあったのをさっき見つけた赤ワインとかもあるよ」
山「それは飲んで大丈夫なんですかねぇ?」
し「大丈夫大丈夫。お酒に賞味期限は無いから」
山「保存状態的な意味でだよ」
し「大丈夫じゃない?」
山「まぁいいや。なんで急に飲んでるわけ?」
し「山田君。君はお酒を飲むのに理由をつける派かね?」
山「いや、そんなことないけど」
し「じゃあいいじゃないか」
山「まぁ……そっすね」
し「それでよい」
山(やべぇ。めんどくさいやつだ)
し「ところで今話題になってる『なろう』のテーマ改革についてどう思いますか?」
山「急に真面目な話題になったな。どう思うって……コメディが『文芸』に含まれるっていうのには驚いたくらいかな」
し「僕は思うんですよ! コメディって文芸じゃないんじゃないかと!」
山「うるせぇ。別にコメディがなくなるわけじゃないんだからいいじゃん」
し「いいんだけどさ。じゃあこの打算こと『シュウさんと山田さん』はコメディに含まれるのか、っていうのが論点です」
山「あーなるほろ」
し「いろいろとジャンルの説明を見てたらさ、これってエッセイになるんじゃないかって」
山「説明文的にはそうかもしれないけど、Q&Aにもファンタジーの例で取り上げられてたけど、『最終的には個人的な判断に任せます』って書いてたよ?」
し「じゃあこれはファンタジーでも良いってこと?」
山「ドッペルさんみたいなもんだからファンタジーでもいいかもしれないけど、これをファンタジーにしたら概念崩れまくりだろ。このままコメディでいいんじゃない?」
し「さいれすか」
山「舌は回らなくてもいいから、頭は回してな」
し「でもこれでコメディ(ファンタジー)とか恋愛(ファンタジー)っていうジャンル詐欺が無くなるってわけだよね」
山「『やったコメディだ!』って思って見てみたら異世界に飛んでましたとか、『やったラブコメだ!』って思って見てみたら異世界に飛んでましたってことが減るだろうね」
し「それな!」
山「でも減るだけなんだよね」
し「なんと?」
山「だってファンタジーの大ジャンルの中に『コメディ』は含まれてないわけだから。あとはお察しの通り」
し「つまり今まで通りっていうこと?」
山「私はそう踏んでる」
し「じゃあ舞台が異世界でもコメディメインだったら『コメディ』っていうジャンルで来るって言いたいわけ?」
山「まぁそうなるよね」
し「むむむ……」
山「でも今までみたいに気軽に異世界ファンタジーコメディみたいのを『コメディ』として書けなくなったのはデカいよね」
し「デカいか?」
山「小さいかも」
し「おい」
山「じゃあシュウさんはどう思ってるのさ」
し「僕は結局現代コメディばっかり書いてるから、あんまり関係ないと思ってコメディの欄しか読んでません!」
山「なろう作家のクズめ」
し「クズとは何ぞや」
山「そうなると今までシュウさんがしてきたジャンル詐欺という名のコメディのタグつけもできなくなるんだよ?」
し「なん……だと……?」
山「せやで。だってジャンルに反してたら怒られるんだよ? ファンタジーのタグで奮闘してる人たちとおんなじことしてるんだよ? 罪悪感感じない? やっぱりクズだと思わない?」
し「…………クズですわぁ」
山「せやろ? 超クズやろ?」
し「せやかて工藤」
山「誰が工藤じゃ」
し「ジャンル詐欺は僕の十八番っていうか、恒例行事っていうかなんていうか」
山「確かに読者に『これコメディちゃうやんけクズ』とか思われるのに慣れちゃってるのもあるよね」
し「あるある」
山「でもこれからはジャンル詐欺は控えような」
し「はい」
山「じゃあ最後にアンチファンタジスタとして一言お願いします」
し「なにそれかっこいい」
山「せやろ?」
し「えー。おほん。コメディはファンタジーではなく、現代もので書きましょう!」
山「むしろファンタジーはやめて現代ものを書きましょう! さぁ現代の扉を開くのだ!」
し「や、山田さんがノリノリだ……」
山「私もアンチファンタジスタだからね! お酒がうまいっ!」
し「……山田さん、酔うとテンション上がるのか」
山「なんか言ったかぁ!?」
し「い、いえ、何も。真面目な話をしてる時にお酒は控えよう」
山「ファンタジーはんたーい!!」
おしまい。
※お酒
僕は日本酒が好き。でもお酒の名前は覚えられません。
酔うと睡魔に襲われて、飲みすぎると睡魔に襲われた後の寝起きのクラクラで酔って吐きます。ご注意ください。




